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くらし

【片づけの5ステップ⑤】あらゆるモノの定位置を決める

篠原美智子(こんまり®流片づけシニアコンサルタント)

「ときめき収納」をベースにした「こんまり®流片づけ(こんまり®メソッド)」には、片づけの5つのステップ。

※ステップ①「理想の暮らしの描き方」はコチラ
※ステップ②「モノ別」に片づけることはコチラ
※ステップ③「ときめき」で選ぶことはコチラ
※ステップ④「正しい順番で片づける」はコチラ

今回は5つ目のステップ「あらゆるモノの定位置」を決めるということについて解説します。

モノの定位置(住所)が決まらないと起きること

皆さんは、家に帰るとき、迷ったことがありますか?

(ん?いきなり何を言い出すの???)

ありませんよね(笑)

住所が決まっているから、バスや電車に乗って乗り換えても、帰ることができます。

でも、もし、

5歳児くらいの子どもが、大きな駅で一人取り残される。

こんな状況だったらどうでしょう?


こうなると、不安しかないですよね…

近所だったら、何とか道を覚えていて帰れるかもしれませんが、遠かったり、バスや電車の乗り換えなどがあったりすると、なおさら不安になると予想されます。

この状況、モノにも当てはめることができるんです。

例えば、定規を使うとします。

家のどこかから定規を見つけ、線を引いたら、そのままにして、どこかへ行ってしまう。

定規の気持ちになってみてください。

「見つけてもらった!嬉しい!定規として使ってもらえる!」

喜んでいたにも関わらず、使い終わったら、そのまま放置される

「えっ!このままここにいるの?この後、どうしたらいいの?」

戻る場所もわからず、不安な状態が続く。しかも、自分では動くことができないから、じっとし続けると、体にホコリがまといつき始める。

そんな状況下で時が過ぎ、あるとき、ふと、こんな声が聞こえてくる。

「もう!定規どこに行ったの!」

定規は、こんなことを感じているような気がします。

(私をおうちに帰してくれなかったのは、あなたでしょ?使ったら、そのままにして出かけてしまって、私はお家に帰れなかったのよ…なのに、なぜ、怒りをぶつけられないといけないの?悲しすぎるわ…)

こちらは、一例ですが、片づけが済んでいない家の中では、定規だけでなく、他のモノも、迷子になっているモノがあるかもしれません。

大切な時間を探す時間にあて、見つからずに慌ててお店に買いに行ったら、家の中にあった…なんてことも、あったりしませんか?

なぜ、これらの現象が引き起こされたのか?

 

その理由は、ただひとつ。

モノの定位置を決めていなかった。

私たちに帰る家があるように、すべてのモノ達の帰る場所、住所を決める!

片づけは、それだけでいいんです!

衣類の定位置

篠原のクローゼット。ハンガーを統一し、すっきり感もプラス

衣類は、クローゼットに収納する。

畳める衣類は、引き出し収納にする。

篠原の息子(小3男子)の衣類収納

上から、半袖、長袖、ボトムスと、カテゴリーごとに分けて収納する。

クライアントさまのクローゼットのbefore→after

1人暮らしのクライアントさまのクローゼットは、どこに何があるかわからない状態から、すべての定位置を把握し、すぐにモノを取り出せて、戻せるクローゼットに大変身。

さらには、自分のお気に入りの絵も飾り、うっとりする空間が完成!

片づけレッスンを卒業後、ご結婚されました。

本・書類の定位置

クライアントさまの本棚のbefore→after

なんとな~く置いた段ボールが、いつの間にか数年、気づけば数十年…

「自分がなんとなく買ってしまった本がたくさんあり、見ると罪悪感を感じて、本棚には近づきたくありませんでした。」

そう話す70代の女性クライアントさま。

片づけを終えると、

「今、読みたい本がわかり、スッキリしました!」

いつしか、あることも忘れた段ボールが減っただけでなく、読みたい本だけが残り、眺めるのが楽しくなる本棚に大変身!余白が生まれ、飾り戸棚には、自分の好きなモノを飾ることができました。

小物の定位置

クライアントさまのお部屋のbefore→after

「部屋は倉庫。休まるのはベッドの上しかありません。」

 

片づけレッスン前、そんな言葉を口にしていた20代女性のクライアントさま。

押し入れは、家族で用いる家電や共有物と自分のモノが混在し、落ち着かない空間を正しい順番で片づけていくと、大好きなモノだけに囲まれた空間が完成しました。

「お部屋にいるのが、一番落ち着きます。お友達も呼べる部屋になり嬉しいです!」

クライアントさまの表情が、一段と輝いていました。

思い出品の定位置

思い出品の片づけ完了直後のクライアントさま

40代の女性クライアントさまは、思い出品が並ぶ棚を前に、

「わあ!こんな空間ができるなんて感激です!!!」と声を弾ませました。

小学校時代の絵や思い入れのある写真を飾り、「自分だけのときめく空間」が完成すると、心の底から満たされる感情を味わえるのです。

【片づけが完了する(=片づけの卒業)とは】
すべてのモノの定位置(すべてのモノの住所)が、一つ残らず決まっている状況のこと。

片づけで「モノをすぐに出しすぐに戻せる仕組み」ができあがる

「お母さん、定規、どこ?」

お子様やご家族から質問を受けたとしたら、A、Bどちらで答えますか?

【モノの場所を質問されたら?】
A「知らないわよ!元に戻さないから、そうなるんでしょ!」
B「定規は、小上がりの下にある一番左の引き出しの手前にあるよ」

Aに当てはまった方は、もしかすると、まだ、片づけが途中なのかもしれないですね…

まずは、ご自身の持ち物を正しい順番で片づけ終えてみてください。

Bに当てはまった方。素晴らしいです!!!

片づけを終え、快適な暮らしを実現されているんですね。

モノの定位置が決まっていれば、家族の誰もが「すぐに出し、使ったら元に戻す」仕組みができあがります。

片づけで自分の判断軸を磨く練習ができる

モノを片づける効果は、絶大です。

すぐにモノが見つけられると、探す時間が圧倒的に減ります。

スコット・ソネンシェインさん、近藤麻理恵さん共著『Joy at Work』によると、モノを探すのに費やす時間は1年間で、約1週間に及びます

探し物をし続けて、大切な時間が奪われていくだけでなく、ストレスを増やし、さらには、周りの方々との関係もぎくしゃくしてかもしれません。

でも、片づけを正しい順番で行っていくことで、お家がすっきりするだけでなく、

「自分の大切にしたいモノ」
「自分の大事にしたい価値観」

も明確にわかるようになり、自分に自信がついていきます。

 

人生は決断の連続です。

誰かの基準で決めるのではなく、自分の基準で決める生き方が、目の前のモノとの片づけで実現するのです。

 

大丈夫!

片づけは誰でもできます!

安心して、モノと対峙していきましょう!

 

次号では、いよいよ正しい順番の詳しい中身に入っていきます。

衣類の片づけ方について、詳しくお伝えいたします。

 

どうぞお楽しみに。

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