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くらし

【片づけの5ステップ④】「正しい順番」で片づける

篠原美智子(こんまり®流片づけシニアコンサルタント)

「ときめき収納」をベースにした「こんまり®流片づけ(こんまり®メソッド)」には、片づけの5つのステップがあります。

※ステップ①「理想の暮らしの描き方」はコチラ
※ステップ②「モノ別」に片づけることはコチラ
※ステップ③「ときめき」で選ぶことはコチラ

今回はステップ④「正しい順番で片づける」ということについて解説します。

順番通りに片づけると、人生が変わる⁉

片づけの順番は、とっても重要です。

ときめくもので、選びやすいものからやるのがポイントです。

私は、この順番で片づけた結果、小学校教師を手放し、片づけコンサルタントとして起業するという、人生までをも変えてしまいました!

本号では、順番と共に、片づけの変化ストーリーをご紹介します。

片づけ前の口癖は「時間がない!」

(before)2013年教師時代の写真。
いつも眉間にシワを寄せ、口癖は「時間がない」

夢だった小学校教師は、やりがいもあり、子どもたちの成長を間近で見ることは幸せでした。

しかし、どこかで、こう思っていました。

(ちゃんとした先生にならなくちゃ!)

自分だけでなく、周りにも負荷をかけていたあの頃。

毎日の連絡帳での保護者とのやり取り、宿題確認、テストの丸付け、授業の準備、学級便りや授業案作成、職員研修、関係機関との調整…仕事は終わりがなく、のめり込めばのめり込むほど時間がかかりました。

先輩教師から、「ある程度、優先順位をつけて仕事しないと、やがて結婚して子どもができたら回らなくなるよ!」とアドバイスをもらうこともありましたが、素直に受け入れることができず、自己流を貫いていたら誰にも頼れなくなってしまいました…。

鬱(うつ)になったことで、人生を本気で見直せた!

2度の流産を経て、私は、なんのために生きているのか全く分からなくなりました。

(こんなに身を粉にして他の方のお子さん達にお伝えしているのに、本当に会いたい自分の子どもには、なぜ出会えないのだろう? 子どもを産めないなんて、女性として価値がないのでは?)自分を責め続け、鬱状態になりました。

2カ月ほど、何も気力が起きない日々が続きました。
そんな折、ふとテレビをつけたら目に入ってきたのが、近藤麻理恵さんが出版された『人生がときめく片づけの魔法』でした。

(私も、片づけで人生を変えたい!)

片づけ講座を受講し、実践していくと、少しずつ自分に自信がついていくのを実感!

ときめきで選んでいった結果、(なんとなく好き)から(好き)へ、自分が忘れていたことを思い出していったのです。

片づけ後は、ワクワク&楽しみがベースに!

(after)2023年東京駅をバックに撮影。

楽しいことが好き!
ワクワクすることが大好き!

片づけを通して、モノと向き合い続けること3万回以上の実践を経て、本当に好きなことを見つけることができました!

誰かに褒められるための職業ではなく、生まれて初めて、自分の意志で「なりたい!」と思った職業が、「片づけコンサルタント」でした。

正しい順番で片づけることで、決断力が高まっていく

モノの移動で終わらない、本質的な片づけができるのが、こんまり®メソッドの大きな特徴といっても過言ではありません。

「ときめき」で選ぶと同じくらい重要なのが、片づけの順番です。

では、お伝えします。メモのご用意はよろしいですか?テストに出ますよ!な~んて(笑)

STEP1:衣類

まず最初は、衣類から片づけてください。

家中に散らばっているご自身の衣類を全て集めます。

大切なことなので、もう一度お伝えします。

片づけしたいご本人の衣類だけを集めて山にしてください。

ご家族のモノの片づけは、ご自身の片づけが終わってから、その方と一緒に相談して取り組んでいきましょう。

玄関脇にかかっているコート、椅子にかかったままのジャケットなど、クローゼットやタンス以外の場所に散らばっている衣類を全て集めて、山にします。

全ての衣類を集めたら、トップスの山、ボトムスの山、部屋着の山など、カテゴリーごとに異なる山を作ってみましょう。

モノ別に片づけることで、モノの量が客観的に把握できます。

衣類は体に一番近いモノなので、「ときめく感覚」がわかりやすいんです。

モノと向き合うことを通して、過去の感情に片をつけ、今を生きる覚悟をもつ

衣類を山にした際、セットアップのスーツ、ジャージに、全然ときめきませんでした…

(教師をしたくないのかもしれないな~)

また、どうしても手放せなかったコートが1着だけありました。それはかつて〇万円で購入したコート。もったいなくて、試着以外一度も着たことのないコートだったのですが、胸に当てるとイライラ…。

負の感情が湧き、体がズシンと重くなりました。

クローゼットの奥に入れて見えないようにしていたのですが、開ける度にため息の連続…

(なんで買っちゃったんだろう…)
(なんで、そこにいるの…)

罪悪感満載の自分を認めたくなくて、モノに当たるという状態が長く続いていました。

モノの気持ちになってみる

そこで、モノの気持ちを想像してみました。「高かったから捨てられない。一応そこに居てね、何もしなくていいから」

そんなことを言われてただいるだけって、辛すぎるかもしれない。

勇気を出して手放した結果、心も体も軽くなったのを覚えています。

手放すモノをゴミ袋とリサイクルショップに分けている様子

STEP2:本類

衣類が終わったら、次は本です。
ご自身の本を家中から集めて山にします。

クライアントさまの本の全出し

基準は、たった二つ。

① また買いたいか?
② 殿堂入りの本か?

表紙や目次だけを見て判断していくのがポイントです!

わが家から本を全て集めたら、300冊もありました!

そのうち、残った教育書は、ゼロ~♪ そういえば、専門書を読むと眠くなっていたことを思い出しました(笑)

STEP3:書類

本の次は、書類です。
書類の基本は、たった一つ。

それは、全て「捨てる前提で選ぶ」ことです。

チラシ、セミナー資料、お便り、預金通帳、明細、お知らせ、契約書…ありとあらゆる紙を全て集めて山にすることから始めましょう。

書類を全部出したときの様子

全て捨てる前提で、これからも活用していきたい、大切な資料を残す作業をしていきます。

教師時代、書類を積み重ねたら、軽く2メートルを越えました!

1枚1枚、「ときめきチェック」をしていくと、残った書類は、ファイルたったの二つ分!

ここで、確信しました。「教師は自分がしたい仕事ではない。辞めよう!」

本や書類の片づけは、自分の思考を整える重要な作業です。

膨大な量があって滅入りがちですが、モノと対峙することで、自分の本当に大切にしたい価値観が明確になっていく大切な順番です。1枚1枚じっくり向き合いながら、自分の価値観を見つけ出していきましょう。

STEP4:小物類

書類の次は、小物です。

小物類をざっとご紹介すると、以下のとおりです。
 

【小物の例】
CD・DVD、文房具、コード類、貴重品類、冠婚葬祭グッズ、アクセサリー、ヘアアクセサリー、スキンケア用品、キャンドル・アロマオイルなどの癒やし系、衛生用品、小銭、布団類、ぬいぐるみ、お守り類、紙袋のストック、季節の飾り物、傘などの雨具、消耗品ストック、洗濯用品、掃除用品、キッチンの調理器具などの作る道具、食器などの食べる道具、調味料など

読んでいるだけでも、くらくらするくらい沢山のモノ、モノ、モノ…

衣類を終えるとすぐに取りかかりたいという方が多いですが、小物は多岐にわたるので、衣類を終えたばかりでは判断が難しいのです。
 

篠原家の片づけ前の様子。リビングやキッチンは、無数の小物であふれていました

本、書類と正しい順番で片づけることにより、決断の回数が増え、自分自身の思考が整っていく。

すると、小物の片づけもすんなりと進められます。本と書類は片づけの第二の難関箇所ですが、そこを越えれば小物を片づける体力が高まっていきます!

小物の片づけは、カテゴリーごとに、お茶でも飲みながら、リラックスして進めてみてくださいね。

STEP5:思い出品

最後のステップは、思い出品です。

【思い出品の例】
手紙、卒業証書・アルバム、作品系、遺品、写真

ここまで終えると、片づけが完了します。

最後に、ご自身のアルバムを1冊作るのがおススメです。
 

篠原のアルバムから、思い出深い数枚をピックアップ

映りのいい写真だけを選び、「自分だけの写真集」を作るイメージで作ってみましょう。

毎日の暮らしは、うまくいくことばかりではないかもしれません。

そんな時、そっと自分のアルバムを振り返ってみると、過去の自分が今の自分を励ましてくれる感覚が芽生えます。

私自身、片づけを最後まで終えることで初めて「ありのままの自分」を受け入れることができました。

片づけという作業(=行動)の積み重ねが、行動する勇気となり、自分の人生に自信を高める生き方に変わっていけたのです。

片づけは、自分の決断力を磨く練習

一般的に、1人当たり平均1万~3万個のモノを持っているといわれています。

最初は、よくわからなかった「ときめき」も、正しい順番で片づけの回数を積み重ねることで、少しずつ、「好き」「嫌い」の判断軸が整っていき、その結果、自分の決断力が磨かれていきます。

「ときめき」という直感が磨かれ、自信が育まれていきます。

人生は決断の連続です。

ですが、どんな基準で決めたらいいのか、判断に迷う方もいらっしゃるのではないでしょうか?

片づけは、自分の基準を磨く練習になります。

家がすっきりするだけでなく、自分に自信がつき、人生の棚卸しができるのです!

明日どうなるかは誰にもわかりません。「いつか…」「そのうちに…」そう言っている間に、時間は刻々と流れていきます。

「片づけを最後まですると決める」

そこから、新しい自分の人生が再スタートしていきますよ!
大丈夫!片づけは誰でもできます!安心して、モノと対峙していきましょう!
 

次号では、片づけのステップ五つ目。すべてのモノの定位置を決めることについてお伝えいたします。
どうぞお楽しみに。

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