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床暖房とは?注文住宅に取り入れるメリットと注意点

新潟日報sumica編集部

冬に底冷えするような厳しい寒さが続く新潟県では、住宅に床暖房を取り入れる方も多くいます。

温風を使わず部屋を均一に暖める床暖房には、暮らしや健康面などにさまざまなメリットがあります。

しかしその一方で費用面や使い方などに注意点もあるため、両者を知ったうえ上で検討することが大切です。

そこで今回は、床暖房の仕組みをはじめ、メリットや導入時の注意点を説明します。

この記事を参考に、床暖房が自分たちにとって必要な設備なのかを考えてみてください。

床暖房とは?基本的な仕組み

輻射熱で部屋全体を暖める、ガス温水式床暖房の仕組み(「ガス温水式床暖房&浴室暖房乾燥機で快適おうち時間!メリットや費用を解説【PR】」より)

メリットと注意点を説明する前に、まずは床暖房で部屋を暖める仕組みを確認しておきましょう。

暖房床暖房は文字通り床面から部屋を暖める暖房設備で、床下に敷設した熱源からの輻射(ふくしゃ)熱によって部屋全体を暖める仕組みです。

熱源は大きく「電気式」と「温水循環式」の2種類に分かれます。

まず電気式は床下に電熱線を設置し、電気を使って部屋を暖める仕組みです。

消費電力が大きいので電気代は高くなりがちですが、耐用年数が住宅とほぼ同じなので基本的にメンテナンスは不要。

さらに施工が比較的簡単で、部分的な設置ができる点もメリットです。

そして温水循環式は、ボイラーで温めたお湯を排水管に循環させて部屋を暖めます。

初期コストは電気式よりも高く、さらに熱源機の耐用年数は10年前後のため交換が必要になる可能性がありますが、光熱費は電気式ほど高くはなりません。

部屋が暖まるまでの時間が早く、電源を切った後も余熱でしばらくは暖かさが続く点がメリットです。

床暖房の4つのメリット

心地よい室温を保てる床暖房のリビング。暖房用エアコンやファンヒーターがなくすっきりとした空間に。(「ガス温水式床暖房&浴室暖房乾燥機で快適おうち時間!メリットや費用を解説【PR】」より)

前章では床暖房の種類と仕組みを説明しましたが、ここでは電気式、温水循環式のどちらにも共通する4つのメリットをお伝えします。

部屋全体を暖めやすい

床暖房は床全体が熱源となるため、室内全体を均一に暖められる点がメリットです。

エアコンやファンヒーターの場合は温かい空気が天井付近にたまりがちですが、床暖房は足元からじんわりと暖めてくれるので、寒さを感じにくくなります。

さらに輻射熱によって室内全体が自然な暖かさになり、新潟のような寒冷地や広いリビングでも快適に過ごせるでしょう。

部屋が乾燥しない

エアコンやファンヒーターのように温風を使って室内を暖める暖房器具は、空気中の水分量が増えずに温度だけが上昇するため、空気が乾燥してしまいます。

特に湿度が低くなる冬場は、部屋の湿度が40%を下回ることも珍しくありません。

乾燥対策として加湿器や部屋干しなどで、湿度を調整している方も多いのではないでしょうか。

一方で床暖房ならば、気流が発生しないので空気が極度に乾燥する心配はありません。

加湿器の使用頻度を減らしても、快適な湿度を維持して健康的な暮らしができる点がメリットです。

手入れの手間がかからない

エアコンやファンヒーターはフィルターが備わっているため、手入れが欠かせません。

フィルターの掃除は2週間に1回、内部クリーニングは1〜2年に1回が目安。

さらに石油式のファンヒーターならば、給油の手間もかかります。手入れを怠るとほこりで冷暖房の効きが悪くなったり、カビ臭がしたりするため、意外と手間のかかる設備なのです。

一方で床暖房は床下に熱源があるため、ほこりがたまりにくく、こまめなメンテナンスは不要

温水循環式の場合は3〜5年ごとにボイラーや給湯器の定期的な点検が必要ですが、それほど頻繁ではありません。

メンテナンスの手間が少なく費用があまりかからないのも、床暖房の魅力のひとつです。

ほこりやペットの毛が舞いにくい

温風を送り出すエアコンやファンヒーターは、気流の影響でどうしても部屋のほこりやペットの毛が舞ってしまいます。

日常的に吸い続けると、アレルギー症状を引き起こす原因になることもあります。

その点床暖房は温風が出ないので、ほこりやペットの毛が舞う心配がなく、きれいな空気を保ちやすい点がメリット。

小さなお子さんやアレルギーを持つ方、ペットがいる家庭でも、安心して使える暖房設備です。

床暖房の5つの注意点

さまざまな魅力がある床暖房ですが、導入する前にいくつか知っておきたい注意点もあります。

見落としてしまうと後悔する恐れがあるので、しっかりと目を通しておきましょう。

初期コストが高額になる

床暖房は床下に熱源を敷設するため、エアコンやファンヒーターよりも高額な導入費用がかかります。

費用は電気式が5万〜7万円/畳、温水循環式が6万〜10万円/畳が相場。

仮に20畳のリビングに設置するのなら、単純計算で電気式は100万〜140万円、温水循環式は120万〜200万円ほどかかります。

さらに温水循環式の場合は、熱源機に別途25万〜100万ほど必要です。

電気式のほうが若干費用は抑えられますが、それでも高額な費用がかかります。

快適さやランニングコストなどを考えるとコストパフォーマンスは決して悪くありませんが、初期コストの高さはデメリットともとれる部分かもしれません。

予算オーバーを防ぐためには、予算に合わせた種類や施工面積を決めることが重要です。

部屋全体が暖まるまでに時間がかかる

輻射熱で部屋を暖める床暖房は、部屋全体が暖まるまでに30分〜1時間ほどかかります

すぐに暖を取りたいときには、他の暖房器具との併用が必要です。

帰宅や起床時間に合わせてタイマーを設置するなど、工夫しながら使うのが快適に過ごすためのポイントになります。

低温やけどの心配がある

低温やけどは、40°C強〜50℃ほどの比較的低い温度の熱源に皮膚が触れ続けることで起こるやけどです。

床暖房の表面温度は一般的に30℃前後ではありますが、それでも長時間触れ続けると低温やけどを発症するリスクがあります

寝返りのできない乳幼児を床で寝かせたり、床で長時間うたた寝をしたりしないように注意しましょう。

床材の選択肢が狭まる

床暖房は床下に熱源を敷設するため、選べる床材が限られます。

たとえば無垢材は温度変化に弱いので、熱に耐えられず反りや割れが出てしまうことも。

床暖房対応の無垢フローリングもありますが、費用は高額になります。

複合フローリングにせざるを得なくなることや、好みの樹種を選べなくなるなど、選択肢が狭まることに納得のうえで導入を検討しましょう。

参考記事 サムネイル画像

注文住宅の床材の種類とは?特徴や部屋ごとのおすすめを解説

故障すると修理が大がかりになる

床暖房は、故障すると大がかりな修理が必要です。

パネルを張り替えたり上から重ね張りしたりするため、数十万円の費用がかかります。

温水循環式の場合は熱源機器の修理に2万〜5万円、交換で10万〜270万円はかかるでしょう。

メンテナンス頻度が低い設備ではありますが、故障してしまったときに高額な修理費用がかかることは覚えておいてください。

まとめ

住まいに床暖房を取り入れれば、健康的で快適な暮らしが手に入ります。

しかし初期コストの高さや使い方などいくつか注意点もあるため、それらを把握した上でのプランニングが重要です。

床暖房の設置を検討している方は、床暖房の施工実績が豊富な住宅会社にまずは相談してみましょう。

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自分の要望や不安を整理する良い機会にもなります。ぜひ利用してみてください。

(監修/(株)新潟家守舎)