
高気密でもカビが生える?対策と新潟の家づくりで意識したいポイント
「高気密住宅はカビが生えやすいらしい」と聞いて、不安に感じていませんか?
たしかに、たとえ高気密住宅であってもカビが生えやすい条件がそろうと、室内や床下などでカビが繫殖してしまう可能性があります。
カビを防ぐためには、発生のメカニズムを知り、設計段階から対策を意識しておくことが大切です。
本記事では、カビが生える仕組みや条件、高気密住宅でカビが発生する原因、家づくりや入居後に実践できる予防ポイントを解説します。
ぜひ参考にしてください。

カビは人の目には見えない胞子を空気中に飛ばし、繁殖する微生物です。
胞子自体はどこにでも存在しますが、次の条件がそろうと一気に繁殖します。
● 温度:20~30℃
● 湿度:60%以上
● 栄養:ホコリ、皮脂、食べかすなど
たとえ高気密住宅であっても、上記のような条件がそろうとカビの温床になってしまうのです。
カビは暗く、湿気がこもりやすい場所を好みます。
住宅内なら、主に次のような場所です。
● クローゼットの隅
● 家具の裏側(壁に面している部分)
● 水まわり(浴室、洗面脱衣室、キッチン、トイレ)
● 窓、サッシまわり
● 床下、壁の内側
高気密住宅は密閉性が高く湿度が逃げにくいので、上記のような場所が、よりカビの温床になりやすくなります。
さらに新潟の冬は、外気との温度差による結露や積雪による湿気がこもりがち。
きちんと対策を行っていないと、たったワンシーズンで住宅内にカビが広がってしまうケースもあります。
カビが発生しやすい場所は前述のとおりですが、家の環境にも共通点があります。
● 断熱性が低い
● 換気量が足りていない
● クローゼットが外壁面に配置されている
● 家具が壁に密着している
● 室内干しや加湿器をよく使う
こうした条件がかさなると、たとえ高気密住宅であってもカビのリスクは避けられません。
「高気密住宅=カビが生えやすい」のではなく、住宅性能・間取り・管理などの複数の要因が関係しているのです。

前章で説明したように、高気密住宅だからカビが繁殖するのではなく、発生原因は設計や住まい方などが主な原因です。
「高気密」と「高断熱」は混同されがちですが、似て非なるものです。
どれだけ気密性を高めても、断熱性が低ければ外気の影響を受けやすくなります。
特に新潟の冬は朝晩の冷え込みが激しいので、断熱性が低いと窓や壁の内側に冷気が伝わり、室内との温度差によって結露が発生します。
そこにカビが好む温度と栄養分があると、あっという間にカビが繁殖してしまうのです。
結露が原因のカビは、床下や壁内などの目に見えない部分に発生しやすく、「知らない間に構造材を傷めていた」というケースも多いため、特に注意が必要です。
高気密住宅は隙間が少ないので冷暖房効率は高いものの、「自然換気がしにくい」という課題があります。
そこを補うために「24時間換気システム」の設置が義務付けられていますが、冬は寒いから、稼働音が気になるからといった理由で止めてしまう方がいます。
その結果、室内に湿気がこもり、カビが発生してしまうのです。
カビが好む湿度は、60%以上です。
一見高いように感じますが、これは日常の暮らしの中で簡単に超えてしまう数値です。
特に新潟では、冬の間、部屋干しや暖房+加湿器の使用が欠かせず、気付けば湿度が70%台になっていることも少なくありません。
湿度が高い状態が続くと、一気にカビの繁殖環境が整ってしまうのです。

気密性が高い家にしつつもカビを防ぐためには、家づくりの段階と入居後に意識したいポイントがいくつかあります。
カビの発生を防ぐには、湿度管理が不可欠です。
気密性と断熱性はセットで高め、室内外の温度差が少ない家を建てましょう。
断熱性をしっかりと高めておけば、壁や窓、床下などが冷えにくくなるので、結露によるカビの繁殖対策につながります。
また、断熱材といえばコストパフォーマンスに優れた「グラスウール」が一般的ですが、施工時に隙間ができやすいのが難点です。
しっかりと結露対策をしたいなら、隙間ができにくいウレタンフォームやセルロースファイバーを選ぶとよいでしょう。
カビが発生する大きな原因は「湿気の滞留」のため、家の中の空気をしっかりと入れ替え、湿気がこもらないように空気を入れ替えることが大切です。
そのために、24時間換気システムは常に稼働させましょう。
換気システムには「第一種換気」「第二種換気」「第三種換気」の三種類ありますが、カビ対策を考えるなら、おすすめなのは第一種換気です。
【24時間換気システムの種類は?】
● 第一種換気:給気と排気の両方を機械で行う
● 第二種換気:給気のみを機械で行う
● 第三種換気:排気のみを機械で行う
住宅では、「第一種換気」「第三種換気」のどちらかを選ぶのが一般的です。
家の中から執権を完全に取り除くことはできません。
どれだけ断熱性を高め、換気を意識していても、どうしても湿気がたまりやすい場所は出てきます。
湿気の滞留を防ぐには、次のような間取りと家具配置を意識しましょう。
● 大型家具は壁から5~10cmほど離す
● クローゼットは住宅の内側に設ける
● 室内干しスペースには調湿性能が高い内装材(珪藻土や漆喰など)を使う
● 風の流れを意識した間取りを提案してもらう
湿気の滞留を防ぐには壁から家具を離すのが効果的ですが、わずかな隙間にすら湿気がこもることもあるので、造作家具を選ぶのも一案です。
壁と一体化させる形で家具を取り付けるため、隙間がなく、見た目もすっきり。
湿気の滞留を防ぎながら、デザイン性の高い空間に仕上げられます。
カビが急激に繁殖する大きな要因は、皮脂やホコリ、食べかすなどの「栄養源」がそろってしまうことです。
これらは日常生活のなかで自然にたまっていくため、放置するとあっという間にカビが生えてしまいます。
カビの繁殖を防ぐためには、掃除機はもちろん、換気扇のフィルターやダクトの掃除も定期的に行いましょう。
小まめな手入れを習慣化すれば、家族の健康維持にもつながります。
繰り返しにはなりますが、カビの発生を防ぐには、気密性と断熱性の両方を高めることが欠かせません。
しかし、どこまで性能を追求するかは、地域の気候や住まい方によって変わってきます。
特に寒暖差が大きく湿度の高い新潟はカビのリスクが高いので、地域の気候風土を熟知した住宅会社に相談するのが安心です。
その際には、引き渡し後のアフターサービス体制も忘れずに確認を。
万が一、結露やカビが発生した場合でも、迅速かつ的確に対応してもらえる住宅会社なら、長く安心して暮らせます。

高気密住宅だからといって、必ずしもカビが生えやすいわけではありません。
カビの発生には、断熱性の低さ・換気不足・間取り・家具の配置・住環境など、さまざまな要因が関係しています。
そうした課題をクリアしながらカビ対策を行うには、新潟の気候風土に合わせた住まいを提案してくれる住宅会社に相談することが大切です。
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(監修/(株)新潟家守舎)
