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くらし

【エシカルアクション③前編】すべての生命(いのち)に配慮を~動物の権利と幸せ~

庭山愛子(株式会社エイト代表)

今回は私たちの会社が掲げるSDGsの8つの目標「エイトマインド」内の3番目「すべての生命(いのち)に配慮を」について。

畜産業の現実のごく一部と、それらを知った上でどのようにアクションを起こしていくかという2つの視点からお話させて頂きます。

8つのエイトマインド。前回のエイトマインド2「No!使い捨て」はコチラから

アニマルライツとアニマルウェルフェア

皆さんは地球を分け合う動物たちに配慮する2つの方法をご存知ですか?

それは、「アニマルライツ」と「アニマルウェルフェア」です。

SDGsの言葉の普及とともにこれらの言葉を見聞きする機会が増えましたが、改めてお話をさせてください。

アニマルライツについて

アニマルライツとは「動物が、その動物らしくいられる権利」のことです。

人とその他の動物で順位をつけずに人が動物を管理または利用をする前提には立たず、動物本来の生態・欲求・行動を尊重すべきとして、主に倫理学や哲学の中で定義されています。

アニマルライフウェアについて

アニマルウェルフェアとは、1965年にイギリスで提唱され、現在世界中で採用されている考え方です。

アニマルウェルフェアには、基本原則として5つの自由があります。

【アニマルウェルフェアの基本原則】
1.飢餓と渇きからの自由
2.苦痛、傷害又は疾病からの自由
3.恐怖及び苦悩からの自由
4.物理的、熱の不快さからの自由
5.正常な行動ができる自由
 ※上記以外に「喜びなどポジティブな体験ができる自由」というものもあります

人間の飼育のもとで動物の幸せを配慮し、人道的扱いを実現するものであり、動物生理学・生態学・行動学などの科学的な裏付けが世界の動物福祉政策を加速させています。

本コラムを書いている2023年6月現在、新聞記事に卵の価格が半年ぶりに下落したという記事が掲載されていました。

2022年10月に国内の養鶏場で鳥インフルエンザが確認されて以降、約1,771万羽が殺処分の対象となりました。これは1シーズン当たりで過去最高の規模でした。

ようやく感染が落ち着き、卵の供給が増えつつあるとのことですが、当時は鶏の殺処分のニュースを見るたびに胸が痛んだ方も多かったことと思います。

すべての生命(いのち)に配慮を

国際卵委員会によると、日本国内で消費される年間の鶏卵の数は1人当たり約340個といわれています。

ほぼ毎日卵を食べている計算になりますね。
これは世界的に見てもトップクラスの消費量です。

鳥インフルエンザや穀物価格の上昇により、現在卵の価格が通常よりも高くなっています。ただし、一般的に日本のスーパーで売られている卵の価格は1パック150円前後。

世界的に見て非常に安いのです。

なぜなのでしょうか?

日本は「バタリーケージ」と呼ばれる狭いケージに鶏を閉じ込めて卵を産ませているのが主流となっています。

バタリーケージ内の1羽あたりの面積は鶏自身の体よりも小さいipad1枚分ほど。
人間でいうと、満員電車の中でずっと生活しているイメージです。

鶏は本来仲間と一緒に過ごすことを好み、コミュニティを形成しながら生活をする動物です。

そんな性質を持った鶏ですが、狭いケージの中で育てられた鶏の多くは本来の免疫機能や健康管理機能が正しく働かなくなってしまいます。

病気にかかってしまうと卵を産めなくなったり、他の鶏に伝染してしまったりする可能性があります。

そんな鶏にとって精神的にも身体的にも負担の多いバタリーケージでの飼育方法は、低コストで効率的に多くの卵を生産することができるため日本では主流となっています。

一方、EUでは2012年にバタリーケージが禁止され、ケージフリーな飼育が進んでいます。

アメリカやニュージーランドでも、ケージ飼育禁止やケージ飼育の卵の売買禁止に向けた取り組みが進んでいます。

欧米のスーパーの卵売り場には、ほぼ全てが放牧卵売り場となっています。

一方で、日本はこの国際的な流れに取り残されている印象があります。

動物から恩恵をいただく以上、その動物の健康や幸せを大切にする思いやりが必要なのではないでしょうか。

環境や社会に配慮したビジネスを支援するESG投資の観点からも、持続可能で平和な社会には倫理(エシカル)が不可欠な要素です。

人間にも動物にも地球にも優しい社会のために

今回は鶏にフォーカスしてお伝えしましたが、これは鶏に限った話ではありません。

牛や豚なども鶏のバタリーケージと同様に過酷な環境にいるという現実があります。

私たちの日常を支えるために、どこかで自然が壊されて、誰かの負担となり、誰か(人間に限らず)が泣いているのならそれは改善すべきことと考えます。

消費者も安さだけを基準に選ぶのではなく、その背景にある動物たちにも配慮し、アニマルウェルフェアの考えを尊重した選択を行う。

そうすることで、もっと動物に、そして人にも優しい「エシカル」な社会となっていくのではないでしょうか。

近年は日本でも、もちろん新潟県でも屠殺の際の動物たちの心理的、身体的な負担を和らげる方法がとられています。

快適性に配慮した家畜の飼育管理を行うことで、結果的に人間の健康にも、そして地球環境にも優しい「エシカル」な社会になっていくのではないかと考えます。

…今回の記事を書くにあたり、ネガティブな現実、できれば知りたくないような現実をどうお伝えするかについて非常に悩みました。

美味しいお肉や牛乳、お洒落なレザーアイテムなどのその背景について少しでも興味関心を持っていただけたら幸いです。

 

次回は、
・エシカルな上に美味しいお肉
・エシカルなレザー
など、よりポジティブな観点からお伝えさせて頂きます!

どうぞお楽しみに!

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