すまい

【未来の金利上昇に備えよう】変動金利が上がると実際どうなるの?

昆知宏(新潟住まいのお金相談室 代表)

「住宅ローンの金利がこれほどまでに上がるなんて思ってなかったよ...。」

日本以外の国に住む人はもしかして今、こんな風に思っているかもしれません。

例えば日本と同じような金利だったイギリス。

2021年11月までイギリスの政策金利は0.10%でした。

政策金利とは、国が決める金利のこと。住宅ローンの変動金利と連動性があるものです。

ヨーロッパと日本は政策金利が似ています。少し前までは、日本同様ほぼ0%だったのです。

【余談ですが…】
ちなみに日本は今でも-0.10%。世界でダントツに安い金利になっています。
そのおかげもあって住宅ローンの変動金利も0%台が当然。
ネット銀行最安では0.2%台も記録しているのが現在の状況です。

さて、2021年11月に政策金利が0.10%だったイギリス。翌2021年12月に0.25%へ上昇。

年が明けての2022年3月には0.5%。5月には1.0%。グングン上がっていきました。

そして2023年8月。今の金利は何%だと思いますか?

なんと5.25%。

わずか1年半くらいで金利が5%も上昇!

そんなことが起きるなんて、想像もできないですよね。

これを予想できた人ってどれくらいいたのでしょうか。

きっとほとんどいないと思います。

世界では今何が起きているのか

いま世界各国では政策金利は大きく上昇しています。

日本と同じくずっとマイナス金利だったスイスもマイナス金利から脱しました。今の金利は1.75%。

その中でまだマイナス金利を維持している日本。これは世界の動きから見ると異様にも見えます。

日本だけ経済のかじ取りが強烈にうまいのか?

うーん、なんかそれも違う気がしますよね。現状維持主義で身動きが取れないだけなのかもしれません。

これから大きな変化が起こる可能性が高まってきているということは何となく肌で感じます。

岸田総理が掲げている新しい資本主義も、
「これからは今までとは変わる」ということを表明しているようなものです。

今までの常識は破壊され、新しい時代へ入っていく幕開けのように私は思います。

しかしこれは悪いことだけではありません。

変化に対応できる人・しようとする人にとって、人生を変えるようなまたとないチャンスであることも認識しておきたいですね。

金利急上昇時に必要とされるのはメンタルの強さ

あなたは変動金利が上がる未来を想像したことはありますか?

私はよく相談者にお尋ねすることがあります。

それは「あなたのメンタルは強い方ですか?」ということです。

金利が上がるとニュースになります。そのニュースを見たら、不安が助長されます。

その不安にあなたは耐えられる自信はあるか。気持ちの持ち方は、金利上昇時には重要事項です。

どんなニュースが流れるのか、実際の例をご紹介します。

金利が急上昇したイギリスはどうなった?

日本経済新聞がイギリスの状況を報じた実際のニュースタイトルを見てみましょう。

「英中銀、住宅ローンの利払い負担増を懸念 契約者の半数」
「英政府、住宅ローンの返済支援策 中銀の利上げ再拡大で」
「追い込まれる英中銀 利上げ幅再拡大、23年に景気後退も」

こんな感じです。

一般的な家庭で月々の返済が日本円に換算して4万円増になるようです。

外国のことだと、イマイチピンとこないかもしれませんね。

これを日本という言葉に置き換えてみましょう。

「日本中銀 住宅ローンの利払い負担増を懸念 契約者の半数が該当」
「日本政府 住宅ローンの返済支援策 中銀の利上げ再拡大で」
「追い込まれる日本中銀 利上げ幅再拡大 景気後退も」

一気に現実味がおびてきますよね。
そんな中、多くの人たちの毎月の返済額が4万円上がったら?

「金利が上がったのは政府のせいだからなんとかしろ!!」
「政府が救済するのは不公平だ!そこは個人のリスク管理の問題だ。」

なんて議論が交わされるでしょう。そんな中でも、金利は上がっていく…