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くらし

【エシカルアクション②前編】No!使い捨て~プラスチックとの向き合い方~

庭山愛子(株式会社エイト代表)

前回に引き続き、株式会社エイトで掲げている「エイトマインド」についてご紹介させていただきます。

<エイトマインド>
1. 必要なモノを必要な量だけ
2. NO!使い捨て
3. 全ての生命(いのち)に配慮を
4. レスウェイスト ゴミを出さない工夫を
5. 出来るだけ近くのモノを(地産地消)
6. 家庭菜園、ハーブを育てよう
7. ポジティブに愛を持って
8. 地球に優しく心地よく暮らそう

上記のエイトマインドを実現するための「日常生活に取り入れやすく継続しやすい」エシカルアクションについて、解説していきます。

No!使い捨て~身の回りの「使い捨て」アイテム~

今回は、エイトマインド2「No!使い捨て」について。
※エイトマインド1「必要なモノを必要な量だけ」はコチラから

「使い捨て」と聞くと、皆さん何を思い浮かべますか?

ペットボトル、割り箸、お惣菜やお弁当のなどといった食品系の容器から、日用品ではティッシュやマスク、包装(包装紙、レジ袋など)系のもの、医療系など衛生を目的としたもの…身の回りを見渡すだけでもきっと目に入るものが多いはずです。

コンタクトレンズのような小さなものから、大きなものではスペースシャトルを除くほとんどのロケットも使い捨て型です。私たちの身の回りには多くの「使い捨て」アイテムが存在しています。

医療系や食品の分野などでは安全や衛生面、保存といった観点から使い捨て製品として代替がききませんが、基本的に使い捨てされる製品は、大量生産・大量消費されるものがほとんどです。
耐久性が劣り、その分安価となっていることが多いです。

プラスチックと環境問題

特に20世紀に登場したプラスチックによって、大量の使い捨て製品が普及しました。
軽くて丈夫で加工しやすいという特性から、瞬く間に世界規模に普及したプラスチック。

その結果、ごみによる環境問題が深刻化しました。

実はプラスチックは発明されてから歴史が浅く、汎用化してからまだ60年ほどしか経っていないのです。

2022年4月には、プラスチックの削減や資源循環を目的にプラスチック資源循環促進法(※1)が施行されたり、「脱プラ」という言葉も聞く機会が増えてきました。

このような経緯もあり、なんとなくプラスチック=悪という印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

すっかり日常に浸透しきっているプラスチック。

子どものおもちゃから生理用ナプキン(1パックにつきビニール袋4枚分相当だそう!)、お茶のティーバックやフライパンのCMでよく見聞きする「油を敷かなくてもひっつかない」とされるテフロン加工もプラスチックです。

歯磨き粉のスクラブやファンデーションやアイシャドーなど、様々な化粧品の基材にもマイクロプラスチックが含まれています。

私たちの生活は、想像以上にプラスチックに囲まれています。

少し前に、あちこちで拡散されていたウミガメの顔に突き刺さるプラスチックストローのショッキングな映像をご覧になった方もいらっしゃるかと思います。

私は長年、街や海のクリーンアップ活動を行なっていますが、落ちているゴミのほとんどがプラスチックです。


マイクロプラスチック問題(※2)も深刻で、WWF(世界自然保護基金)がニューカッスル大学に委託して行なった研究によると、私たちは1週間に5g、およそクレジットカード1枚分ものプラスチックを口にしているとのこと。

これはもっと長い期間で見ると、摂取する量は1か月でレゴブロック1個、1年で消防隊員のヘルメット1個分に相当します。
人体へのハッキリとした影響は明らかになっていませんが、マイクロプラスチックによって細胞が損傷したり、プラスチックに吸着された有害な添加物が入り込んだりするリスクが懸念されています。

そもそも、プラスチックが初めて実用化されたのは、ビリヤードの球だと言われています。
当時ビリヤードの球は象牙からできており、毎年少なくとも45万3千kgもの象牙が消費されていました。

象の絶滅を心配した会社が賞金1万ドルをかけて代替素材を公募した際に、ジョン・ハイアットという印刷工が最初の工業用プラスチック「セルロイド」を発明しました。

(ジョン・ウィズリー・ハイアット 1837-1920)

元々は「象を守るため」という動物愛護の観点から開発された素材なのです。

当時は「木を切るなんて環境破壊だ!」ということで、紙製品の代わりにプラスチック製のものが推奨され、どんどん普及していきました。
便利で多様なプラスチックの登場によって食品の保存期間も飛躍的に伸びるなど、多くのメリットがありました。

しかし20世紀末あたりから、様々な業界において循環型社会が主流となり、繰り返し利用可能な製品も増えてきました。

現在では、木材を使うことイコール環境破壊なのではなく、建材としても使用できない間伐材や端材を材料とすることで、本来ごみとなるものだった資源の有効活用や、森林の管理にも繋がるということから効果的な木材の使用も有効とされています。

今では廃棄されるバナナの茎を原料としたバナナペーパーなど紙の代替品も多種多様に増えてきました。私もLIMEXという石灰が原材料の名刺を使用しています。

プラスチックに代わる様々な素材が用いられていますが、ほとんどの場合、その代替品にも限界があります。

例えば、容器やストローに使われている紙は再利用が難しく、需要が高まることで結局森林破壊につながってしまいます。
かつて象を乱獲から守ったプラスチックが環境を汚染しているように、どの素材もバランスを考えて使わなければなりません。

お伝えしたいのは、決してプラスチック=悪ではないということです。

どんな素材であっても大量生産・大量消費を続けていく限り、地球に負荷がかかります。

問題を根本から解決するために「No!使い捨て」

ごみを減らすための行動として「5R」というものをご存知ですか?

Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の3Rは有名ですが、それにRefuse(リフューズ)とRepair(リペア)を加えたものです。

<5Rとは>
【Reduce】ごみを発生させない
【Reuse】ものを繰り返し使う
【Recycle】繰り返し使用する
【Refuse】断る
【Repair】修理して使う

最近ではこの他にも、
・Rental(レンタル)
・Return(リターン)
・Reform(リフォーム)
などなど言われています。

全国には7Rを提唱している自治体もあるほど。まだまだこの他にもRのつく言葉、思いつきますか?

使い捨てを見直し、できる限りごみを出さない生活を心がけるには、
やっぱり「楽しみながら行う!」これに尽きます。

私は家では繰り返し使える上にカラフルで可愛いエコラップや、

調理や保存にも便利なZIPTOPなどを愛用しています。

キッチンにあるだけで、なんだかお洒落だし便利だしで、すっかりなくてはならない存在となっています。

イベントへの参加もオススメ

一方で、「エシカルについて興味はあるけれど、何から始めたら良いかわからない」という方もいらっしゃるかもしれません。

そんなときは「エシカル」をテーマにしている各種イベントに参加してみるのもオススメです。

エシカルにいがた主催の「学べるエシカルフリマルシェ」。気軽に楽しく「エシカル」について学ぶことができます。

イベントに通じて実際に体験してみることで、「エシカル」についてより身近に感じることができますよ。

次回は、「No!使い捨て」のその先、
「長く愛用できるモノを」についてお伝えします。

長く愛用できるモノを大切に使うことで、大量消費社会の中で埋もれていってしまった、日本で古来より愛用されてきた丁寧な作業によって作り出される製品や暮らしのアイディア等を改めて見つめ直すきっかけとなれば幸いです。

楽しみながらオシャレにエシカルライフを送りましょう!


※1 プラスチック資源循環促進法…循環型経済への移行を推し進めるために2022年4月1日に環境省によって施行されました。プラスチックの使用を減らし、徹底したリサイクルを実施するという内容の法律です。
※2 マイクロプラスチック問題…5mm以下の微細なプラスチックをマイクロプラスチックと言います。プラスチックは自然分解されないので、数百年も分解されることなく環境中にとどまると言われています。特に海洋生物の生態系に悪影響を及ぼしています。

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