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新潟で注文住宅の二世帯住宅を建てるメリット・デメリットと、親子で話し合っておくポイント

新潟日報sumica編集部

共働き世帯の増加、老後2000万円問題、建築費の高騰……

住まいやお金にかかわる悩みは尽きません。

そうしたなかで「親と一緒に暮らせばお互いにサポートできる」「二世帯住宅なら費用を抑えられるのでは?」と考える方も多いはず。

特に新潟のように広い土地が手に入りやすい地域では、“家族で支え合う住まい方”が注目されています。

 

しかし、二世帯住宅は建て方や資金面、生活スタイルによっては、快適にも窮屈にもなり得るので、メリットとデメリットを比較しながら検討することが大切です。

そこで本記事では、新潟で注文住宅の二世帯住宅を建てるときに知っておきたい基本と、親子で話し合っておくべきポイントをお伝えします。

新潟で注文住宅の二世帯住宅を建てるメリット

(株)瀬賀工務店「2回目の新築。1軒目での気づきを生かして理想の家づくり」より

まずは、メリットから見ていきましょう。

 

建築費・土地費用の負担を分け合える

二世帯住宅を建てる最大の魅力は、建築費や土地代を親子で分担できることです。

親が所有する土地に家を建てる、または実家を建て替えるなら、土地の購入費用がかからない分、住宅ローンの負担を減らしながらも建築費用にしっかりと予算を回せます。

さらに、玄関や水回りなどを共有する「一部共用タイプ」や家全体を共用する「完全同居タイプ」などを選べば、建築費用も抑えられます。
 

光熱費やサブスク料金をコストカットできる

冬に厳しい寒さが続く新潟では、冬の暖房費や給湯費が家計を圧迫しがちです。
二世帯住宅で水道・ガス・電気のメーターをまとめると1軒分の基本料金で済むため、光熱費のコストカットにつながります。

世帯人数が増えても使用量が単純に倍になるわけではないため、光熱費自体の節約にも有効です。

さらに二世帯住宅で高気密・高断熱住宅に全館空調や床下暖房を組み合わせれば、快適かつ、エネルギー効率のよい住まいを実現できます。

【二世帯住宅ならサブスクもお得!】

光熱費だけでなく、インターネットや動画配信などのサブスクリプション(サブスク)サービスも「家族プラン」を共有できる可能性があります。

毎月数千円から数万円程度ではありますが、長い目で見ればお得です。
 

親子で「助け合い」がしやすい

同じ家に家族が住んでいるのは、心身共に大きな支えになります。

たとえば冬場の雪かきや買い物、通院の送迎といった日常のちょっとした手間を分担したり、子世帯が育児で忙しいときに親がサポートしたり、親世帯の体調が心配なときに子どもが様子を見に行ったり。

お互いに無理なく支え合える距離感が、二世帯住宅の大きな魅力です。

そんな安心感のある暮らし方は、子育て世帯にとってもシニア世帯にとっても大きな支えとなるでしょう。
 

補助金が利用できる可能性がある

新潟県内には、親子の同居・近居を支援する補助制度を設けている自治体があります。

たとえば、出雲崎町の「出雲崎町新生活スーパー住まい取得・リフォーム支援補助金」や阿賀野市の「虹の架け橋住宅取得支援事業」では、親子による同居・近居が加算対象になっています。

こうした制度を上手に活用すれば、費用負担を抑えられるでしょう。


参考:出雲崎町「出雲崎町新生活スーパー住まい取得・リフォーム支援補助金」

参考:阿賀野市「令和7年度虹の架け橋住宅取得支援事業」

注文住宅で二世帯住宅を建てるデメリット

LOCAL LIFE STANDARD/(株)池田組「日常を満喫する二世帯の住まい」より

二世帯住宅には資金面やサポート面でさまざまなメリットがありますが、多世帯が暮らすなかで出てくるデメリットと取れる部分もあります。

生活リズムや価値観の違いがストレスになりやすい

「ひとつ屋根の下で暮らす」ことには安心感がある一方で、生活リズムや価値観の違いなどがストレスの原因になることもあります。

たとえば、親世帯は早寝早起き、子世帯は夜型のように生活時間がずれていると、テレビの音や足音、家事の物音など、ちょっとした生活音が気になってしまうことも。

また、家事の進め方や設備の使い方、育児方針のように正解がない価値観のズレなどの積み重ねによって、「気を使う暮らし」になってしまうこともあるかもしれません。
 

プライバシーが確保しにくい

お互いの生活が見えすぎてしまうのも、二世帯住宅の課題のひとつです。

とくに夫側の両親と同居するケースでは、子世帯の妻が義理家族と生活を共にする形になりやすく、「親世帯に気を使う」「自分の時間が取りにくい」と感じてしまうことも。

そうした小さなストレスが積み重なると、せっかくの新居が落ち着かない空間になりかねません。

 

光熱費・税金・修繕費の分担が難しい

二世帯で水道・ガス・電気のメーターをまとめれば基本料金の節約になる一方で、使用量がわかりにくく、費用分担があいまいになりやすいというデメリットがあります。

そして「最近、光熱費が増えた気がする」「どちらの使い過ぎだろう?」といった小さな違和感が、やがて気まずい空気を生むことも少なくありません。

また、固定資産税や修繕費などの割合についても、世帯人数や所有面積、経済状況などに応じて分担するのが理想ですが、感情的な納得感を得るのは意外と難しいもの。

「気持ち的に納得できない」という場面も出てくるかもしれません。

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【家づくり体験談】二世帯住宅の階段

二世帯住宅を建てる前に親子で話し合っておきたいポイント

(株)新潟ヒロタカデザイン事務所「本物のデザインは、愛される」より

デメリットを知ると、「やっぱり二世帯住宅は大変そう」だと感じるかもしれません。

しかし、事前に親子で話し合い、きちんとルールを決めておけば、多くのトラブルは防げます。
 

1.共有範囲について

二世帯住宅の間取りには、「完全同居」「一部共有」「完全分離」の3タイプがあります。

まずは家族の価値観や生活スタイルなどをもとに、どのタイプが最適なのかをよく話し合ってみてください。

共用部分が少ないほど建築費用は高くなっていきますが、費用を抑えようとして無理に共用部分を増やすと、生活リズムの違いがストレスにつながる恐れがあります。

家族の人数や生活パターンを踏まえて、お互いが無理なく暮らせる共用範囲を考えてみてください。

 

2.お金の負担について

二世帯住宅を建てる際には、建築費用・土地費用・住宅ローンの組み方・光熱費・税金、そして将来的な相続まで、お金に関する取り決めを明確にしておくことが欠かせません。

「建ててから考えよう」「その時になってからで」と曖昧にすると、後々トラブルになりかねないので、二世帯住宅の計画段階でしっかり決めておくことが大切です。

 

公平な話し合いのためには、住宅会社やファイナンシャルプランナー(FP)など第三者の専門家に相談し、資金計画や負担割合のシミュレーションをしてもらうのがおすすめです。

口頭での合意だけでなく文書に残しておけば、誤解やトラブルを防げます。
 

3.プライバシーの保ち方について

親子とはいえ、それぞれに「自分だけの時間と空間」は大切です。

特に親世帯と子世帯が同居する場合、お互いが義理の家族と生活を共にする形になるため、プライバシーへの配慮が必須です。

快適に暮らすための工夫としては、次のような方法があります。

 

● 1階と2階、または左右で世帯を完全に分ける

● 上下階でリビングの位置をずらす

● 遮音性の高い建材を使う

 

共用部分の使い方や時間まで細かく決める必要はありませんが、生活する上で気になるポイントや、これからの理想の暮らし方については、しっかりと話し合い、お互いの価値観をすり合わせておくことが大切です。
 

まとめ

(株)時代の家niigata「贅沢空間で上質な二世帯の住まい」より

二世帯住宅は、親世帯と子世帯が支え合いながら安心して暮らせる住まい方です。

しかしその一方で、生活リズムの違いやお金の分担、プライバシーの確保といったデメリットもあり、実際に暮らしてみて気付く課題も少なくありません。

 

だからこそ、計画段階で家族でよく話し合い、ルールや距離感を明確にしておくことが大切です。

家族それぞれが快適に過ごせる家をつくることで、二世帯住宅は“支え合いの場”として真価を発揮します

 

そして住宅会社選びの際にも、二世帯住宅の実績が多く、多世帯ならではの悩みを理解し、アドバイスや提案をしてくれる会社を探すことが大切です。

sumicaの相性診断テストではお客さまの希望や価値観を基に、新潟に対応している住宅会社を紹介いたします。

二世帯住宅の実績が多い会社への資料請求や相談の問い合わせも可能ですので、ぜひご活用ください。

 

(監修/(株)新潟家守舎)