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変形地に家を建てても大丈夫?種類別にメリット・デメリットを解説

新潟日報sumica編集部

新築注文住宅を考えるときは、「家づくり」とともに「土地」を同時に考えることになります。

既に土地を持っている、実家の敷地内に新築を建てる、などの特殊なケースを除き、土地探しは家づくりのスタートとも言えるでしょう。

しかし、多くの方にとって、土地選びは家づくりと同じく初めての経験ではないでしょうか?

なんとなく形の整った土地が良い気がしますが、「変形した土地は買ってはいけないの?」と気になる方もいるでしょう。

そこで今回は、以下の内容について解説していきます。

  • 「整形地」と「不整形地」について
  • 整形地の種類
  • 不整形地の種類

新築の土地選びに関して必ず参考になる内容ですので、ぜひ最後まで読んでみてください。

土地には「整形地」と「不整形地」がある

土地は大きく「整形地」と「不整形地」に分類されます。

整形地は、正方形や長方形など形状が整っており、建築基準法を満たす造成済みの土地を指します。

地盤が強化され、傾斜もなく、建物を設計・建築しやすい特徴があります。

基本的に宅地の多くは整形地で、土地の相場は整形地を基準として設定されています。

不整形地(または変形地)は、三角形やL字型など形状が不規則で、場合によっては傾斜があったり極端に狭かったりする土地です。

これにより設計に制約が生じ、整形地に比べて利用が難しい場合があります。

一方で整形地に比べ人気が低いため、好立地でも比較的安価に売りに出されているのはメリットと言えるでしょう。

設計に関する制約も、うまく活用できれば理想の家づくりも不可能ではありません。

ここからは整形地、不整形地にどんな種類があるのかを見て、それぞれの特徴を把握していきましょう。

整形地の種類

整形地は正方形長方形の2種類に分けられます。

正方形の土地は縦横どこからでも同じ形になっているため、家を建てる際に方角に左右されず、設計の自由度が高い土地と言えるでしょう。

長方形の土地の場合、長辺と短辺があるため家の向きなどに影響がありますが、外庭やガレージなど住まいと外をつなげるプランが作りやすく、プランニングが難しいというほどのことはありません。

一方で、需要が高いために不整形地と比べて地価が高額であることがデメリットとして挙げられます。

また、整形地だからといってよく確認せずに土地を選んでしまうと、斜線制限や日影規制、防火地域指定などさまざまな要件で設計に不都合が発生する可能性もあります。

理想的な土地を見つけたとしても、自身の理想の家づくりが可能かは注意深くチェックすることをおすすめします。

不整形地の種類

不整形地には、主に以下の4種類が存在します。

  • 三角地
  • 台形地
  • 旗竿地
  • 傾斜地

それぞれ異なるメリット・デメリットがありますので、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

三角地

三角地はその名の通り三角形の土地で、多くの場合角地(2つ以上の道路に隣接した土地)となっています。

宅地としては使いにくい形状の代表格で、家自体を三角形にすることはほとんどなく、土地にデッドスペースが生まれがちです。

一方で土地に対して余裕を持って家を建てられるので採光がしやすかったり、空いた土地を庭として活かすプランなども考えられます。

また、不整形地のほとんどが土地の価格相場より安く売られているというのもメリットと言えるでしょう。

敬遠されることの多い土地ですが、住宅メーカーや設計事務所に相談してみると意外にも良いプランと出合えるかもしれません。

台形地

台形地は平行四辺形やひし形など、変形した四角形の土地を指します。

三角地よりは使い勝手が良く、形状を生かした間取りも考えやすいでしょう。

また、隣家と向かい合わせになりにくく、距離を空けやすいというメリットもあるので、住宅密集地ではあえて台形地を選んでみてもいいかもしれません。

ただし、一般的でない形状になると建築コストが高くなる可能性があるので、資金計画には注意が必要です。

旗竿地

旗竿地(はたざおち)は、不整形地の一種で、細長い通路の奥に敷地がある旗竿のような形状をした土地です。

この形状は、建築基準法で「家を建てる土地は道路に2m以上接していることが条件」と定められているため、もともとの土地から無理やり通路を伸ばしたという事情があったりもします。

「路地状敷地」とも呼ばれ、使いづらいとされるため価格が比較的安い傾向にあります。

また、隣接する道路と家の距離が離れるため、騒音や視線を避けることができるというメリットもあります。

奥の敷地形状が整っていればほぼ整形地として見られるため、設計の自由度は決して低くありません。

一方で、建築資材の運搬が困難になるため、建築費用が高くなる可能性があることには注意が必要です。

傾斜地

傾斜地とは、敷地内に斜面のある土地を指します。

一見家を建てるのが難しそうに思われるかもしれませんが、設計次第で快適な住まいを実現できます。

最大の魅力は眺望の良さです。

視界を遮るものが少なく、窓を開ければ遠くまで見渡せる心地よい景色を楽しめます。

また、採光性にも優れ、大きな窓を設ければたっぷりと日光を採り入れることが可能です。

傾斜地は整形地と比べて人気が低いため、土地代が安くなる傾向があるのもうれしい点です。

一方で、傾斜地では自然災害への備えが重要です

崖崩れや土砂災害のリスクがあるため、ハザードマップを確認し、安全性の高い土地を選ぶ必要があります。

地盤改良工事を行うことで、安心して住める家づくりができます。

まとめ

今回は土地の形状や種類について解説しました。

整形地、不整形地のメリットとデメリットをおおまかにまとめると、以下のようになります。

メリット デメリット
整形地 設計の自由度が高い 購入価格は高額になる
資産価値が高い 規制や制限には注意が必要
不整形地 整形地より安く購入できる 設計に制限が発生する
形状によっては活用も可能 デッドスペースができやすい

住宅地としては使いやすさや設計の自由度から、整形地を希望する方が多いでしょう。

しかし、不整形地もうまく活用するプランができれば、格安で理想の家づくりができるチャンスになります。

もちろん特殊な土地になるので、設計やプランには実力のあるすまいのパートナーが必要になります。

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(監修/(株)新潟家守舎)