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にいがた県産材の家「素木-SIRAKI-」~坂詰製材所×石田伸一建築事務所インタビュー~【PR】

新潟日報sumica編集部

阿賀野市で60年以上の歴史を持つ坂詰製材所は、製材だけでなく木の伐採から建築まで一貫して行っています。

石田伸一建築事務所もまた、十日町市に製材工場を構え、大工を雇用し、伐採から施工までの建築工程を自社で担うことができる建築事務所。

両者がコラボレーションしたブランド「素木-SIRAKI-(しらき)」に込めた思いを、坂詰製材所専務取締役の桐生透さんと、石田伸一建築事務所代表の石田伸一さんが、長岡市の「素木」モデルハウスで語り合いました。(2024年9月取材)

素朴で素直な県産材の木の家を

桐生 石田さんの「地材地建」にかける情熱に弊社が共感し、「素木」プロジェクトが始まりました。

石田さんとコラボすれば、県産材を使ってもっと素晴らしい家ができると信じていましたよ。

坂詰製材所 専務取締役の桐生透さん

石田 地域の材料と人材で建築する「地材地建」という建築思想を大切にしてきました。

家づくりの川上(林業)から川中(製材所)、川下(工務店・建築事務所)まで一貫してやっている弊社と坂詰製材所さんが手を取り合えば、持続可能な循環型林業に向けての動きが加速され、新潟をもう一つ盛り上げられるのではないかと思ったんです。

石田伸一建築事務所 代表の石田伸一さん

桐生 ご提案いただいたブランド名「素木-SIRAKI-」で、お互いの思いをうまく表現していただきました。

石田 地元の素朴な木をありのままに使い、敷地と地域の風景にあらがうことなく素直に建築するという意味を込めて、「素木-SIRAKI-」ブランドを掲げました。

「素木-SIRAKI-」のロゴデザイン。真っ直ぐに育つ木と、家づくりの川上から川下への循環型林業の過程を表現。

「地材地建」の家で機能性の高さも実現

桐生 この家の大黒柱や斜め天井に沿った登り梁は、施主のおじいさんが栃尾の山で育てたスギを使っています。

その林は、かつて新潟県優良林分育成コンクールで最優秀賞を受賞しました。適切に管理された樹齢50年以上の素晴らしいスギばかりですよ。

先祖が育てたスギを子孫が家づくりに使う。物語がありますよね。

2024年9月に長岡市にオープンした「素木-SIRAKI-」モデルハウス。施主の祖父が育てた栃尾の山のスギを大黒柱に。

石田 「ものづくりにものがたりを。」は弊社がずっと掲げてきたコンセプトです。

雪深い土地で育つ県産スギやブナは年輪の目が詰まっており、成長は遅いものの丈夫で強度がある。

スギの中心部を「赤身」と言いますが、耐候性が高いため外壁にも使っています。

桐生 赤身は防虫成分を含んでいます。「赤身の柱は虫も食わない」と昔から言われ、神社仏閣によく使われていました。

内装材も県産材で、全て坂詰製材所によるオリジナル仕様です。

木目の美しさを生かした床やカウンター、壁、石田さんのデザインでヘリンボーンに張った天井板もオリジナルです。

坂詰オリジナルの壁板。年月が経っても飽きのこない木目が味わい深い。
2階廊下の下の板は凹凸を付けた。熟練の職人技をさりげなく見せる。

石田 天井板は端材を無駄なく利用して組み込み、接着剤を使わず仕上げました。

木造建築から生まれた言葉である適材適所と地材地建にこだわったのが「素木」です。

端材を使い、斜めに組み込んだ天井。登り梁も施主の祖父の山から伐採した県産スギを使用。

桐生 この家は断熱性と気密性に優れ、第一種換気システムを採用し、全熱交換機能で室内温度を一定に保ったまま換気できます。

耐震性の高さも含め、トップクラスの性能。県産材の家でも高性能の家をつくれると石田さんに実証してもらいました。

家の中心は吹き抜け。2階個室の窓を開けるとリビングとつながり、空気も流れる。

石田 家の真ん中に吹き抜けを設け、2階両サイドが子ども部屋と夫婦の寝室。

各部屋の吹き抜け側に窓があり、家族のコミュニケーションが取りやすく、空気も回るのでエアコン1台でもしっかりと冷暖房ができます。

窓には断熱性に優れ、和洋どちらの部屋にも合うハニカムブラインドを採用。

南側より道路に面した東側が長い土地ですので、東側に大きく窓を取り、道路と敷地の境に県産材でフェンスをつけました。

家と庭で「家庭」ですから、フェンスと家の間にしっかりと庭もつくり、屋根もかけて、アウトドアリビングとしても使えるようにしてあります。

大きな掃き出し窓から、屋根をつけた庭に続く。

庭に敷いたのは、使用済み安田瓦を再利用したチップ。踏むと鳴るので防犯にもなります。

庭に敷いた石は使用済み安田瓦を再利用したチップ。安田瓦は坂詰製材所と同じ阿賀野市が産地だ。

珪藻土の塗り壁は左官によるもので、施工は地元の職人。

材料も人も新潟の、本物の木の家です。

桐生 自然素材の家ですから空気が心地いいですよね。

県産の木材や瓦、畳、しっくいや珪藻土を使った家には、使用量に応じて県や国から補助金が交付されます。

スムーズな家事動線にも配慮されたキッチン。キッチン背後の収納の引き戸と、キッチンの面材には県産ブナを使用。

知らない人も多いですが、これからは県産材でつくる家づくりをお勧めしますね。

これだけの家が新潟の木でできることを、モデルハウスでぜひ体感していただきたいです。

外壁には県産スギの中心部・赤身を使用。新潟の厳しい気候にも耐え、経年変化も美しい。

新潟の木を使った家づくりで未来を守ろう

石田 自然豊かな新潟は、信濃川と阿賀野川など多数の川を有し、水の都と呼ばれています。

川の上流の山を手入れし、その木を使うことは生態系の循環を正常に維持するためには欠かせません。

高齢化した木を伐採して利用し、得た収入で植栽を行う主伐・再造林は国の方針であり、県でも動きが活発化しています。

桐生 私と石田さんは、川上から川下までの事業者の関係構築をサポートする県の「つなぐプロジェクト」の推進委員です。

工務店さんだけでなく、エンドユーザーである家を建てる県民のみなさんにも、新潟の木を使った家づくりが、故郷の森を守ることになると理解していただきたい。

二人とも使命感を持ってやっていますよ。手入れをしないと山は荒れるばかり。木を植えても使えるようになるには50年はかかります。

今、始めないと間に合わないと、エンドユーザーにも意識してほしいですね。

石田 伐採士や製材士は減ってきており、大工や左官など職人の高齢化は進んでいます。

「素木」の家づくりで、職人たちの技を若い世代につなげたい。

100年後の新潟のために、地材地建の家づくりをしていただきたいです。

「新潟の家に新潟の木を使うことが当たり前」の社会の実現を目指します。

桐生 三世代先の子孫のため、そして新潟の森を残すために、私たちの思いを「素木」や「つなぐプロジェクト」などを通して広めていきましょう。

くわしくはコチラ サムネイル画像

「素木-SIRAKI-」特設サイト

※「素木-SIRAKI-」のモデルハウス見学&問い合わせ先は上記リンクより(長岡市モデルハウスは11月末まで)

 

 

長岡市「素木-SIRAKI-」モデルハウス House data

家族構成30代夫婦
敷地面積185.05m²(55.98坪)
建築面積58.42m² (17.67坪)
延床面積89.42m² (27.05坪)/1階:49.68㎡(15.03坪)、2階:39.74㎡(12.02坪)
断熱等級Ua値 0.33(等級6)
気密性能C値 0.15
竣工年月2024年4月
設計期間約5カ月
工事期間約5カ月
内装【床】1F 玄関・ホール: モルタル金ゴテ仕上げ/1F、2F居室・廊下等:新潟県産杉板フロア浮造仕上げ 
【壁】1F LDK:漆喰/1F、2F居室等:漆喰
【天井】1F LDK:坂詰製材所オリジナル羽目板/2F:県産材によるどんとパネル
設備【キッチン】県産ブナで面材を作った造作キッチン
【洗面化粧台】ステンレス洗面台
【浴室】タカラスタンダード
【トイレ】TOTO
【給湯器】エコジョーズ
開口部【窓】YKKAP APW430
【ドア】YKKAP コンコードS30
取材協力(株)坂詰製材所、(株)石田伸一建築事務所

 

協賛:新潟県農水産部林政課

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