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住宅価格&金利が上昇中!いま住宅購入を検討する際に押さえたいポイント

昆知宏(新潟住まいのお金相談室 代表)

今回は、住宅価格&金利上昇が上がっている中でいま押さえておきたい、

✅住宅業界の最新トレンド
✅住宅を賢く購入するためのポイント

について、順番に解説していきます。

2024年も上昇中の住宅価格

歴史的な円安が進行中の昨今。

スーパーに行くとさまざまな商品の価格が上がっていたり、価格は変わっていなくても内容量が減少しているケースが目につきます。

これまでと同じ買い物をしているのに、お金が減るスピードが速くなっているため、節約志向がどんどん高まっています。

あらゆるモノの価格が上昇している昨今。

建築材料(原料)を輸入に依存している住宅業界も例外ではなく、住宅価格はじわじわと上がり続けています。

そんな中、住宅会社としては、ただ値上げをするわけにはいきません。

買い手の予算に合わせていく必要があるからです。

そのため、住宅業界では価格を抑えるためにさまざまな工夫が行われています。

コスパ重視!今売れている規格住宅の特徴

コストパフォーマンスが非常に重要視されている中で、性能をある程度キープしつつも価格を抑えた規格住宅が特に売れています。

【規格住宅の特徴】

・家の形が決まっている
・選択できる設備のメーカーに制限がある
・耐震や断熱性能はある程度しっかりしている
・価格は2,500~2,700万円が主流

規格住宅は、家族4人が広々と暮らすには余裕があるわけではありません。かといってそこまで狭くもないサイズ感です。

ただ、収納スペースには限りがあるため、モノが多い人は注意が必要です。

居室を犠牲にして収納や家事スペースを大きくするかどうかは、住む人の判断次第となるでしょう。

量より質で!注文住宅の最新トレンド

また、注文住宅は依然として根強い人気があります。

✅もう少し予算に余裕がある
✅間取りやデザインが制限されるのがイヤ
✅家にお金をかけたい

そのように考えている人は、注文住宅を検討します。

また、注文住宅においても、各住宅会社はやはり価格を抑える努力をしています。

注文住宅は、量(=広さ)より質を重視することで価格を抑える方法があります。

一般的に、家づくりの要望を自由に伝えていくと、延べ床面積は35坪(115.5㎡)程度になるケースが多いです。

これくらいの広さであれば、ゆとりをもって生活できるので理想的ですね。

しかし、注文住宅の昨今の相場でいうと、坪単価100~120万円。35坪ですと3,500万円オーバーとなってしまいます。

そのため、家の広さが30坪を超えることは珍しくなってきています。

家の大きさをコンパクトにして、量より質を重視する。

そうすることで、建物価格を3,000万円前後に抑える。

これが注文住宅におけるトレンドとなっています。

✅フルオーダーでの注文住宅で耐震や省エネ性能が最先端のものにする
✅建物価格の予算を3,000万円前後に収める

そのためには、建物の大きさは27~28坪程度となります。

実際にこのあたりが、規格住宅ではなく注文住宅を選ぶ人の着地点となっています。

いずれにしても、家を建てたタイミングが

・2020年に始まったコロナウイルス流行前~直後
・コロナウイルス以降

なのかどうかで、家のサイズが大きく変わりました。

建てるタイミングによってこれほど家のサイズ感が変化した分岐点は、過去にさかのぼっても他にないのではないでしょうか。

賃貸 vs 持ち家 本当に節約できるのはどっち?

これから家を建てるかどうか迷っているあなた。

いざ住宅展示場のモデルハウスやショールームに足を運んでみると「思っていたより高い」と感じる場面がほとんどでしょう。

「じゃあ、家を建てるのをやめて賃貸物件を検討しよう」と思ったとしても、賃貸では何かと不自由を感じてしまうことがあります。

特に子育て家庭にとっては、居室の広さを十分に確保できるかが重要なポイントです。

立地が良く広い賃貸物件へ引っ越そうとすると、家賃が大きく上がってしまいます。

物価上昇の影響で、大家さんも維持管理コストの増加に伴い家賃を上げているのです。

家賃の安さを重視する場合

✅スペースの狭さ
✅築年数の古さ
✅立地

などで、ある程度の妥協が必要です。

それを我慢できない場合は、賃貸であっても住居費は当然ながら年々上がっていくことになります。

アメリカやイギリスのロンドンなど、海外では家賃の上昇が深刻になっているところが目立つようになってきました。

それも、条件が良い場所に引っ越したわけではなく、今住んでいる賃貸住宅の家賃が上がってしまうという問題です。

日本ではまだそこまでの状況は起きてはいませんが、決して他人事とは言い切れません。

価格高騰中でも住宅購入のメリットはある

賃貸の家賃値上げを考えると、「住宅価格が上がったから、マイホームは損」とは言い切れません

マイホーム所有のメリットは、今の物価で固定できることにあります。

建てた後の修繕費は、その時々の物価に連動しますが、初期の建物コストはあくまで建てたときの物価に固定されます。

物価上昇が続く未来を予測するなら、「今のお金の価値でマイホームを購入する」という選択肢も考えられるでしょう。

住宅ローン金利との向き合い方

これまでは、「住宅価格の上昇」の観点から、住宅購入のポイントについて解説してきました。

では、同じく話題の「住宅ローン金利」という切り口ではどうでしょうか。

今回ご紹介したい住宅ローン金利の考え方。

それが、「住宅ローン金利に保険をかける」というものです。

これは、いわゆる団信を指しているのではなく、金利が上昇したときに行う対策のことです。

先行き不安定なこの時代でも、「住宅ローンの金利上昇に保険をかける」という考え方が実践できれば、金利上昇にも備えることができます

「住宅ローンの金利上昇に保険をかける」とは

近年、変動金利が上昇しそうなムードが漂っています。

どのタイミングで、どのくらい金利が上昇するのかは見当がつきませんが、少しずつ上がっていくのは確実でしょう。

いくら覚悟していたつもりでも、金利上昇が実際に起きると、変動金利で住宅ローンを組んでいた人の多くは、気持ちを整理するのが難しくなることが予想されます。

例えば、住宅ローンの残高が3,500万円残っている状態で金利が上がると、利息はいくら増えるのか考えてみましょう。

※あくまでイメージをつかむための単純計算です

・金利1%増の場合:年間35万円の利息負担増
・金利2%増の場合:年間70万円の利息負担増
・金利3%増の場合:年間105万円の利息負担増

…しかもこの先も、金利はさらに上がるかもしれないのです。

支払い額の上限が不明な場合、最終的な返済額が予測できなくなります

これはなかなか大きいインパクトです。

「住宅ローンの固定金利は得or損?」以外の考え方

一方で、住宅を購入するときに住宅ローンを全期間固定金利で組んでいた場合はどうでしょう。

世の中の情勢が変わっても、金利上昇のリスクはありません

その代わりに住宅ローンの返済スタート時に、変動金利と比較して、1%以上も高い利息を払う必要があります。

返済スタート時のローン残高が4,000万円だとすると、

・金利1%の場合:年間40万円の利息支払い

となります。

変動金利と比較すると、固定金利の場合は年間の支払額が確定しています。

変動金利にした場合に、将来負担することになるかもしれない金利アップ分の返済額。

これを、固定金利では上限を決めて先払いする、ということになるのです。

固定金利は、この先支払い続ける利息を高いと見るかどうかが「固定金利は得か損か?」のポイントになります。

言い換えれば、この分の費用負担は金利に対しての保険料ともいえるのです。

支払い総額に換算すると、(現在の)変動金利との差はとても無視できない大きさです。

ですが固定金利は、金利上昇リスクをゼロにできるため、返済期間中の精神的負担を軽くすることができます

固定金利の「保険料」は高いor安い?

今は変動と固定の金利の差が開いている状態なので、固定金利の支払い利息を「もったいない!」と感じるほうが普通でしょう。

ただ、最近さまざまなレポートを読んでいると、個人的には「結局、変動金利でも固定金利でも総額はほぼ同じくらいで落ち着くのでは」とも思っています。

具体的には、以下のような流れです。

変動金利は現在の固定金利以上、それなりに上昇する

数年間で落ち着く

その後は上がり下がりを繰り返す

というように、金利が高いまま長期間推移する、ということはないような感じがします。

あくまで予想ですが、30年など長期での総利息で見たときに、固定も変動も総返済額ではバランスとって同じくらいになるかもしれません。

30年後に「固定金利と変動金利、どっちがお得か?」という答え合わせをしたら、

「どちらも支払った利息の合計額はほぼ変わらなかった」

という予想です。

しかし、このシナリオでも、変動金利が金利上昇局面に入った場合、どこが天井(=最高値)を付けるのかは当面はっきりとわかりません。

「損失」がどんどん膨らんでいくような感覚になると思います。

そしてこれは、自分でコントロールできるものではないのです。

変動金利が上昇した後にできる対策は?

では、変動金利が上がった後にできる対策はあるのでしょうか。

結論として、「難しい」と言わざるを得ません。

変動金利が上がった局面では、固定金利は変動金利よりもさらに高くなってしまっています。

そのため、借り換えをするにも動きづらくなってしまうのです。

原則は、耐えるか、繰り上げ返済をするしかありません

いざこのように金利上昇した時に、固定金利という名の保険に入っていた人は、ノーダメージでいられるというわけです。

つまり、「固定金利を選ぶ」ことは「金利上昇に備えた保険料を支払う」ということなのです。

また、固定金利のメリットのひとつに「柔軟性」も挙げられます。

「まずは固定金利にして10年くらい様子を見たうえで、結局金利が上がらなければ、後から変動金利に借り換えれば良い」という選択ができます。

大勝ちはできないが、大負けもしない

固定金利で最初に保険をかけた分だけ、リスクは減り、柔軟性もあるということです。

もちろん、変動金利が今の固定金利を上回ることがなければ、利息を含めた総支払額は変動金利の圧勝=大勝ちとなります。

金利の保険料を支払わなかった分だけ得だったということですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

住宅価格の面から「持ち家か賃貸か」、金利の面から「固定か変動か」という”住宅購入における永遠のテーマ”も交えつつ、押さえておきたいポイントついて解説してきました。

ご紹介したシナリオや選択肢もふまえつつ、最終的にはあなた自身が納得したうえで、判断することが大切です。
 

 

<無理のない資金計画を!>

 

 

~新潟住まいのお金相談室ブログ「【物価高騰&節約志向】今のタイミングで住宅購入はどうなの?」「変動金利にしたいけど住宅ローン金利が上がるのが怖い人へ」より~

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