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特集

【わたしとくらし】大嶋屋呉服店/着物ライフスタイルサロン大嶋屋 大嶋美樹子さん(前編)

新潟日報sumica編集部

新潟で活躍する人の仕事やくらしを紹介する「わたしとくらし」コーナー。

今回は、明治創業の呉服店の常務であり、完全予約制の着物サロンを手掛ける大嶋美樹子さんに話を聞きました。

大嶋屋呉服店

大嶋美樹子さん 常務取締役

1979年、五泉市にある老舗呉服店に生まれる。
2006年に風呂敷専門店の「ふろしきや」を新潟市中央区にオープン(現在はネットショップのみ)。
2019年に完全予約制の「着物ライフスタイルサロン 大嶋屋」を新潟市江南区にオープン。
本店とサロンでの展示会などの企画のほか、きものを着る機会の創出に力を入れている。他にも、風呂敷講座の講師や「きもの文化検定」の新潟事務局など幅広く活動。

和風住宅のリフォームを考えている
自宅を店舗にリノベーションしたい
…こんな方には特にオススメの内容です。
 

現在のお仕事について教えてください

呉服屋の娘です。
五泉にある本店には両親がいて、私は新潟市江南区にある着物サロンを拠点にしています。

本店はいつでも・誰でもご来店いただけるのですが、サロンは1日2組限定の完全予約制

サロンの床は板張りがメインだが、展示や着付けスペースは畳敷き。
その日のお客さんのためのきものや帯だけを準備して展示している。

サロンではお客さまによってご用意するきものが変わる“お客さま一人だけのお店作り”が特長。
きものを販売するだけではなく、きものを着たい方の目的に合わせて着付けレッスンやきものの勉強会なども行っています。

また、お客さまが受け継いだきものを着られるようにお直ししたり、きものをリメイクして洋服にするご提案などもしています。

きものを着てお出かけをする機会づくりにも力を入れているとか

これまで、きものパーティーや歌舞伎を見に行くツアーなどを企画してきました。

新型ウイルス禍でお出かけをすることができなくなったので、今はきものを見て楽しんでいただけるよう、きものの産地や生地などさまざまなテーマの展示会をサロンや本店で毎月企画しています。

サロンや本店での展示会のほか、飲食店でのゆかたパーティーなども企画。
きものを洋服にリメイクするブランド「MIYOKO」も立ち上げた。

また今年は新型ウイルスが落ち着いてきたこともあり、ディナーショーやサロンでの落語会なども企画しました。

人生の転機について教えてください

もともとは呉服屋を継ぐ気はあまりなかったのですが、20代半ばくらいまでは県外や海外にいました。

祖母の介護が必要になったのをきっかけに、面倒を見るために新潟に帰ってきました。

祖母と一緒に暮らしながら、パソコンで何かできることがないかと考え、風呂敷について解説するホームページを作ってみたのですが、購入したいというお話をいただくことが増えてきたので通信販売を始めました。

ちょうど世の中も環境問題への意識の高まりや「MOTTAINAI(もったいない)」の精神が取り沙汰されるようになって、ふろしきが脚光を浴びるようになった頃ですね。

そんな中、大量発注をいただいたのをきっかけに新潟市で実店舗の「ふろしきや」を開店しました。

ふろしきや時代に販売していたオリジナルの「新潟ふろしき」の中から、「TOKI」と「EDAMAME」の2種類の復刻版を2023年8月に販売開始
ふろしきやサイトhttps://furoshikiya025.stores.jp/ で購入可能

開店してからは、ふろしき講座の講師をやらせていただいたり、風呂敷を使った子どもファッションショーなども開催しました。

祖母のことがなければ新潟に帰って来なかったかもしれないので、それが転機かもしれませんね。

その後、現在のサロンを開店するまでの経緯は?

お店ではきものを着ていたのですが、「私も着てみたい」というお客さまにきものをご案内するようになり、きものを買っていただく方が少しずつ増えていきました。

ふろしきやの店内で着付けをしていたのですが、手狭だったことと、せっかく買っていただいたお客さまにご満足いただける環境を作りたいと思い、着物サロンの開設を考えるようになりました。

【Before】祖母と二人暮らしをしていた家屋の1階部分(和室2室とキッチン+廊下部分)をサロンとしてリノベーション(大嶋美樹子さん提供)
【After】3部屋の壁を無くすことにより広いサロンスペースが誕生。
高さが変えられるテーブルや、バースタイルのカウンターなど、さまざまな使い方を想定している

ふろしきやの建物が古かったことや、40歳になったのを機に、生活リズムや働き方を変えようと思い、14年間やっていたふろしきやの実店舗を閉め、知り合いの設計士さんに相談して、祖母と暮らしていた住まいをリノベーションしてサロンにすることにしました。

設計士さんにはどういうリクエストをされたのでしょうか?

「こういう壁紙にしたい」とか、そういうリクエストはしませんでした。

私が設計士さんにお伝えしたのは、「サロンでやりたいこと」「お客さま一人一人に満足していただける場所にしたい」「受け継げるものは受け継ぎたい」など、この場所で叶えたい想いの部分のみでした

天井の板は木目を揃えず、あえて互い違いにすることで市松模様のように

お茶や日本文化について勉強されている方だったこともあり、図面を見せてもらった時には「これでお願いします!」と即答する感じでした。

漠然とした私のイメージを形にしていただくことができました。

サロンの一角にはバーカウンターのようなスペース。
設計士さんが自ら貼ったという背面の白は、表具で使っていた和紙を使用。ランダムに貼ることで模様のように見せている

特に大変だったこと、苦労したことについて教えてください

もともとこの仕事を継ぐ気はなかったので、きもののいろいろなことについて覚えることが大変でした…というか今も大変です(笑)

サロン内の大きなテーブルは、表具師だった親戚のおじさんが使っていた表具台を再利用している

父は「着物のことは誰にも負けない」というほど勉強家なので、その後を継ぐプレッシャーもありますし、そもそも勉強することが苦手だったので「きもの文化検定」の受験も最初は苦労しました。

検定はきもののことだけでなく、日本の礼儀作法なども問われるのでとても範囲が広いんですよ。

父からは「1級まで取りなさい」と言われ、昨年1級を取ることができ、ようやくスタートラインに立った気分です。

今は自分で仕入れに行くこともあるのですが、「きものは産地や問屋さんに行って、直接見て触れながら覚えるもの」ということを実感しています。

今後の展望について教えてください

サロンのリノベーションは、実はまだ第一段階なんです。

奥に茶室があるので、それを利用できるようにしたり、ゆくゆくはヘアセットやエステなどの設備なども整えて、このサロンで全て準備をして出かけていただけるようにしたいですね。

また、きものを着るということが今は特別なことになっていますが、きものをはじめとした、日本文化は世界に誇れるもの。

世界中の人たちにもっときものを知ってほしいですね。

 

祖母の介護をきっかけに、風呂敷、そしてきものの世界へ導かれるように進んだ大嶋さん。

そんな大嶋さんの住まいのお話は後編「くらし編」で!

くらし編へつづく~

 

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大嶋屋呉服店/着物ライフスタイルサロン大嶋屋
TEL. 025-385-7613
新潟市江南区旭 ※詳細は予約の方にのみお知らせ
ホームページ https://oshimayagofukuten.com/
インスタグラム @oshimaya025 

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