子どもを考えているご夫婦に、家づくりの前に知っておいてほしいこと
「人気分譲地に大手ハウスメーカーで家を建てる。この難易度は想像以上に高いのかも...。」
先日、相談者の方とこんな話になりました。
土地建物で4,000万円後半となる総計画費。
諸費用や家具家電も入れれば、5,000万円の大台にのるかもしれない。
というか、きっと大台にのる。
でも今なら共働きだから、返していけそうな気もする。
資金計画書に記載された返済計画はこんな感じ。
毎月の返済は家賃とそんなに変わらない。
ボーナス払いも、ボーナスの時に1人10万円ずつ出し合えば大丈夫そうだよね…?
「これなら、いけそう!」
「今週末にご契約いただければ、特別に100万円お値引きします!」
「よしっ!せっかくだから急ごう!」
住宅購入を本格的に検討している方のほとんどは、実際にこんな感じかもしれません。
ところが...
興奮気味に帰宅するも、冷静になって考えた時に
「やっぱりこれって払えるの?」
と、思う方は少なからずいらっしゃいます。
今回まさにそんな感じで相談にいらっしゃいました。
が、金額はやっぱりその方にとっては妥当ではありませんでした。
支払いは35年間続く…
住宅購入費用が大きくなりすぎてしまう人には、決まって共通点があります。
それは「家を買うタイミングでたまたま資金的に余裕がある」ことです。
どういうことかというと、
・まだ子どもがいないタイミング
・正社員共働きで資金的に余裕がある
こんな場合ですね。
30歳以上で子どもがいない。
この位のタイミングって、人生の中でお金に余裕がある瞬間の上位なんですよね。
それもそのはず、固定費も少ないし、住居も2人住まいの賃貸なので好立地でも比較的安いのです。
収支がマイナスになりにくいので旅行に行ったりもしやすい状態です。
しかし子どもを考えている夫婦の場合、この後家計は激変してきます。
なぜなら、収入減少と支出増が同時にやってくるからです。
例えば、もし3年後にその状態がくると、ローンは残り32年…。
家計のイージーモードはわずか3年で終わりノーマルモード、またはハードモードに入ります。
収入減少の可能性
子どもが生まれるとなると産休・育休を取り、収入が落ちます。
復帰するとしても、時短勤務などで収入が落ちる人の方が多いでしょう。
ですが、家族が増えることにより当然生活費は増えます。
そして、子どもが生まれるというこのタイミング。
それにあわせて新居を構える世帯が新潟では多いのですが、新居となると住宅固定費も一気に増えます。
増えますというか、大きく増やしてしまう選択を自らする人が多いです。
今まで住んでいた通勤に便利な好立地。
それを維持して土地を買い、家を所有すると、好立地の人ほど毎月の返済額は大きくなります。
今の感覚ですと、土地から購入する人の場合は毎月の返済額が10万円以上になることの方が普通です。
ここに固定資産税や火災保険、後々は住宅修繕コストなどがかかってきます。
すると今までと家計の景色は少し変わり、お金が貯まりにくくなります。
でもまだ子どもが小さいうちは、それくらいなら全然なんとかなります。
子どもにお金がかかってくる時期は結構早い
子どもが保育園の年中さんになったくらい。
その辺りで周りの子が一気に習い事を始めます。
ここで家計負担がずっしり来始めます。
なんでこの話をするかというと、まさに我が家が今この状態だからです。
親から習い事をさせようという気持ちは特にありませんでした。
ですが、子どもたちから自発的に「やりたい!」と言われるようになりました。
長男も次男も、ちょうど年中さんのタイミングでした。
この時に、その興味の芽をどうするか。
時間の理由ならばともかく「お金がかかるからダメ!」とはとてもじゃないけど言えません。言いたくありません。
親として興味があるものはさせてあげたいし、いろいろな刺激を与えてあげたい。
そんな感じで子ども2人の習い事が、月35,000円くらいになりました。
さらに小学生の息子からは
「お友達が学習教室に行っているから、自分も行きたい」と追加リクエスト。
ですが、それも行くと+15,000円くらい。
さすがもそこまではもうお手上げなので、ドリルを買ってきて私が先生をするという形で納得してもらいました。
(勉強を教えたことなんかない、という方でも通っている学校教科書と同じ出版社のテキストとワークを買えば、教えることはできると思います。)
さらに、外食に行けば一家4人で1回4,000~5,000円は当たり前。
回転すしのお会計が子どもの成長と比例して上がっていく日々。恐ろしいものを感じます。
大人のものを取り分けていたりキッズメニューの時はかわいいお値段だったのですが。もう大人顔負けの食べっぷりです。
旅行に行けば、10万円なんてあっという間になくなる。
家族4人で10万円以内。
その予算だと泊まりでディズニーに行くのも厳しい世の中になりましたよね。
そんなこんなで、とにかくお金がかかるのです。
住宅ローンを多めに設定してしまった場合、わずか5年後くらいに家計はハードモードになってしまいます。
教育費で家計が回らなくなる
我が家ではまだ未経験の領域ではありますが、教育費もこの先さらに上がります。
先輩方の話を聞いていると中学生になったあたりから塾に通う子が増えるそうです。
それもそのはず、受験があるからですよね。
少しでも進路の可能性を広げるために、その親心は今からでも想像がつきます。
その時もお金が理由で、未来の可能性を切りたくないと親として考えるのでしょう。
これはもはや無限ループですね。
しかも進学校を目指す場合は、その費用がエグいのは周知の事実。
大手学習塾では月5万円がベース。特別講習、模擬テストは別。
そして、ついに入学した先が私立ときたら、もうそれは大変なわけです。
さらにその先、大学受験も待ち構えているかもしれません。
書いていてちょっとおなか一杯になってきました。
でもこれって全然あり得る話です。
※新潟県では大学進学者のうち、75%が私立というデータがあります...。
家計に占める住宅費用の割合は増えている
正直今から10年以上前はそれほど家は高くありませんでした。
そのため、家に占める家計負担割合は今よりかなり低い状態でした。
どれくらいかというと、今3,000万円かかる家が2,000万円で建てられていました。
だから今現在、教育費のピークを迎えている先輩方の家計は何とかなっていることも多いと思います。
でも今は、以前より家が高くなっています。
必然的に家計にしめる住宅負担割合は大きいです。
つまり以前よりも、住宅ローン返済の負担を感じやすくなってきていると言えます。
結局、国による子育て支援も子ども2人までは今までと変化はなく、期待することは難しい感じです。
よって子育てのこの時期をハードモードにするか。
それ以上の無理ゲーレベルまでにするか。
それは、若き時のあなた。
そう、家を買った時の住宅ローン借入額がすべてになるわけなのです。
そんなこんなで、「子どもには想像以上にお金がかかるから、住宅にお金を振りすぎるとあとで大変です。」
今日の話はこれが結論。
子どもがまだ誕生していないか、生まれたばかりに家づくりを考えてる方は未来をしっかり考えて家を買うことをおすすめします。
~新潟住まいのお金相談室ブログ「子どもを考えているご夫婦に、家づくりの前に知っておいてほしいこと」より~