すまい

インテリアから考える家づくり

新潟日報sumica編集部

愛着ある家具と植物で作った二つの憩いの空間

インテリアから考える「ちょうどいい」サイズ感の住まいー。

二人暮らしにちょうど良いサイズのリビング・ダイニング。ヴィンテージのキャビネットなど、設計時は家具の配置をよく検討したという。トチの木の1枚板のダイニングテーブルは夫妻の手作り。北欧家具の定番、Yチェアと合う。床はオーク

天井の梁や窓の位置、細部まで整えた 愛用の家具が映える空間を楽しむ

ボリュームが異なる二つの切妻屋根が並ぶM氏邸。天井の高さは4.2メートル。

一番高い部分で6メートルにおよび、大きな屋根に包まれているような安心感がある。

階段を上がると、吹き抜けを生かした広いフリースペースが現れ、開かれた空間が広がる。

2階フリースペースとウッドデッキ。天井に合わせた変形の大窓から光がたっぷりとふり注ぎ、夫妻の観葉植物、飾り棚が並ぶ
吹き抜けで1階リビングとゆるやかにつながる、開放感あふれる2階フリースペース。ヨガをしたり、植物を育てたり、多目的に使える。空間の美しさを生み出す天井の梁は、細くして軽さを演出

関西で暮らしていたMさん夫妻は、Mさんの実家がある新潟に移住し、家を持つことに。

インテリアが好きで家具にこだわりがあったため、家具を中心にインテリアが映える家を依頼した。

また、今後を見据えて、1階で生活が完結する平屋を希望。

2階からLDKを見下ろした風景もお気に入り
1階寝室は天井高を抑え、壁の一面をパープルにして穏やかなムードに。ベッドヘッドの額縁を重ねたディスプレイや窓のサイズより長めにしたカーテンなど、センスあふれるインテリアはお手本にしたい

しかし土地の広さが限られていたため、1階にLDKと寝室、水回りなどの生活スペースをまとめ、2階は活用性を高め、吹き抜けに面したフリースペースにウッドデッキ、個室にするプランが導き出された。

2階のMさんの書斎。ペンダントライトはレ・クリント
勾配屋根がかかる2階のゲストルーム。こもり感が心地良い

1階LDKは「窓が大き過ぎると家具を置ける壁がなくなり、インテリアが楽しめない」という点から、天井を高くし開口部を小さくすることで、こもり感を作った。

リビングからダイニング・キッチンを見る。2階の大窓が1階にも明るさをもたらす

落ち着いた空間にヴィンテージのキャビネットやルイス・ポールセンのペンダントライト、アートやグリーンがセンス良く配されている。

夫妻が愛用するペンダントライトはルイス・ポールセンの「スノーボール」。キャビネットの上にライトやグリーン、雑貨を飾って

「2階フリースペースやウッドデッキは予定していなかったけれど、自分たちにはない空間づくりの発想が楽しかった」と奥さま。

今後はフリースペースとウッドデッキを暮らしを楽しむ場にしたいと考えている。

ニッチのイエローは建築家からの提案。「自分では絶対思いつかないカラーに合わせてインテリアを考えるのも面白かったです」と奥さま

新潟市秋葉区 M氏邸 House data

家族構成夫婦
敷地面積168.71m2(51.03坪)
延床面積106.74m2(32.29坪)/1階65.7m2 (19.87坪)/2階41.05m2(12.42坪)
竣工年月2020年8月
工法木造金物工法
基礎布基礎
断熱材屋根:高性能硬質ウレタンフォーム/壁:高性能グラスウール
外装仕上 屋根:ガルバリウム鋼板 横葺き/外壁:ガルバリウム銅板 角
外装仕上屋根:ガルバリウム鋼板 横葺き/外壁:ガルバリウム銅板 角波
内装仕上床:無垢オーク/壁:量産クロス/天井:量産クロス
設備キッチン:TOTOクラッソ/バス:リクシル アライズ/トイレ:TOTO NJ1
開口部窓:リクシル サーモスⅡ-Hアルゴンガス入り/ドア:造作建具
取材協力(株)Cube Design