【家づくりと一緒に進めたい】後悔しないエクステリア計画の流れとポイント4選
エクステリアは住まいの顔ともいうべき部分で、暮らしや外観の印象に大きく影響します。
「魅力的なエクステリアは住まいの価値も高めます」と話す㈱GARDEN四季会長、石川正彦さんにうかがいました。
どんな手順で進めよう?魅力的なエクステリア計画
インテリアが建物内部の装飾を指すのに対し、エクステリアは敷地内の空間を含めた外部全体を指します。
エクステリアとは、住まいの外回りを総じてデザインすること。
しかし、新築時「外構は後からでもできる」と考え、安価に済ませようと、とりあえずコンクリートにしてしまうケースをよく見かけます。
その結果「家づくりの仕様決定段階で予想以上の出費になり、最終工事のエクステリアへの工夫を諦めてしまう人が多い」と石川さん。
確かに引き渡しを控えていると「可能予算内で!」が優先となり、中途半端になりがちです。
魅力的なエクステリアの実現には、専門家と相談し、住宅とは切り離して進めることも大切。
まずは最小限の工事にし、二次計画で充実させるという選択もあります。
ファサードとは
フランス語で「正面」を意味するファサード。
まさにファサード=住まいの顔です。
最近では、新築時だけでなくリフォームや単独工事としても、ファサード(正面)の設計が行われることが増えています。
これは、家族構成の変化などにより、駐車スペースを広げたり、敷地をより有効活用したりするためです。
道路と建物の距離が近くても、植栽と自然石の配置を工夫することで、見応えあるファサードとなります。
ファサードが住まいのデザインと調和することで、街並みの景観をより美しく彩る一助となります。
エントランス(アプローチ)について
エントランス(アプローチ)も、家づくりには欠かせない要素のひとつです。
エントランスの設計時になるべく心がけたい点として、外から見たときに玄関内部が丸見えにならないような動線の工夫が挙げられます。
また、エントランスは内と外、仕事と暮らしの区切りの場所でもあります。
玄関前の植栽も同様の役割を果たし、程良いプライバシー確保にもなります。
エクステリアづくりのポイント4選
続いて、エクステリア計画を進めるうえで欠かせないポイントを4つをご紹介。
【ポイント①】敷地条件を把握し、全体の要望を整理しよう
・敷地や建物の配置・寸法、道路との高低差や幅、方位、日照、風当り状況を把握する。
・カーポートの屋根付きの有無(将来を含む)、開口部(窓)の目隠し要素は必要か。好きな植物を挙げ、特徴や用途をチェックしたり専門家に相談してみる。
【ポイント②】ゾーニング(配置図)を描いてみよう
・必要面積・配分のため1/100:1m=1㎝又は1/50:1m=2㎝の縮尺で図を描くと敷地の有効活用策がイメージできる。
・車の必要台数、位置取りから始める(最も面積を占めるケースが多いため)。
・エントランスとアプローチの形状や、玄関までの必要階段数などの動線を検討する。
・シンボルツリーや植栽スペースの条件を考慮し、樹種構成をイメージしてみる。
【ポイント③】ある程度情報を集めたら予算をイメージしてみよう
・エクステリアは家づくりとは異なり、坪単価といった予算を立てるときに参考になる指標が少ない。そのため、費用の目安として「戸建て住宅建築費の10~15%」だと認識しておくと良い。
・ネットで安価に販売している商品は、現場搬入料や送料に注意。
・土工工事や植栽・石組みなどは、敷地条件や規模、設計仕様により大きく異なるため、プロに相談してみる。
【ポイント④】専門業者に相談してみよう
・ネット情報や契約店には注意が必要。現場調査とプランニング行為が別人のことも。訪問できる店舗がないとアフターサービスも不安。
・正確な設計を実施してもらうために、適切な個人情報管理を条件に住宅設計図面貸与に協力しよう。
・見積依頼は仕様が明記された図面がないと不正確になってしまう。業者選びは、信頼できる対応と提案力を重視しよう。
心地よいエクステリアのヒント
人気のエクステリアグッズや家具、植栽などのアイテムについて紹介します。
エクステリア照明
防犯に加え、景観を良くする効果もあります。
消費電力の少ない低電圧LEDや、人や明るさを感知し自動点灯するなど、さまざまなニーズに応えられる各種センサー機能が付いた商品も出てきています。
日除け・オーニング
異常気象対策として、暑さをしのぐ日除けやオーニングも近年人気です。
カーポート
最近の異常気象の影響で、耐雪カーポートへの需要も増えています。
屋根材質等品揃えも豊富になり、機能・デザイン・価格などを好みで選択できます。
大面積を占めるだけに、柱位置や埋設配管に気をつけながら配置や形状を決め、住まいの顔をつくりたいもの。
エクステリアファニチャー
ゆったりと庭仕事の後のティータイムも楽しめます。
外水栓器具
外水栓は、庭はもちろん玄関先に付けるケースも増えているだけに、デザイン性にこだわりたくなります。
物置
以前はデザイン上の観点から「ファサードにはできるだけ物置を置かない」を基本にしていましたが、昨今はデザイン性の高い物置が次々開発され、玄関周りにフィットする製品もあります。
ただし、収納力アップを狙うあまり必要以上の大型物置を設置してしまい、結果的に使わない物であふれてしまわないよう注意しましょう。
植栽
「どんな設計でも、植栽をするとしないとでは見映えが断然違う。敷地の環境条件を踏まえて四季を楽しめる構成にするといいですよ」と石川さん。
春から秋は、新潟も緑が心地よい季節。
ファサードやアプローチを春の新緑や花が彩り、夏は木陰やつる性植物が涼を呼びます。