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事実上の利上げで住宅ローン金利は実際どうなった?

昆知宏(新潟住まいのお金相談室 代表)

金利上昇に物価上昇。

よく分からないけどなんだかネガティブなニュースが多いと感じる2023年。

 

「そんな年なら、今年は家づくりをやめようかな?」と思う方もいるかもしれません。

実はそんな中、私はローンを借り換えて自宅のリフォームをしようと思っています。

敢えてこのタイミングで...突き進むことにしました。

もちろん、ちゃんと理由があります。

それは金利と物価上昇の流れがさらに本格的になると、もう手が届かなくなるかもしれないから。

先延ばしにして同じ金額でできることが減るのはいや。
先延ばしにして同じことをしたら、見積もりと利息が上がって総額が増えるのはもっといや。

これってリフォームをする私だけでなく、今年住宅購入を考えているあなたにも通じる話なんです。

2023年に家を建てようと思っているあなたへ

これから先の住宅市場、想定されるシナリオは2つあります。

・金利上昇や物価上昇が落ち着くのを待つ。楽観的なシナリオ
・金利上昇が本格的なものとなり、物価上昇や増税もとまらない。悲観的なシナリオ

あなたはどっちだと思いますか?

もちろん前者がいいのですが、自分では決められることではありません。

もし後者に本格的になったら選択肢が大きく減る。

だから私は動くことにしました。

消費税の引き上げももう話が出ているくらいですしね。

楽観的なシナリオの道が明るいようには感じられなかったのです。

総合的に考えると、2023年はなんだかんだ言ってまだ超低金利。

日銀も「利上げでない」と言っているうちがチャンスなのでしょう。

「利上げです」ってなったら、いよいよ本格的な利息負担時代の「再来」です。

そもそも、2013年~今までの金利が低すぎたんです。マイナス金利政策が異常だっただけ。
この期間が金利のバーゲンセールだったとも言えます。

そのバーゲンセールはまもなく終わる可能性があります。

そして2023年は家づくりの補助金が過去最大級にある。

・できるだけ早く快適な空間に住みたい!
・時期を遅らせるメリットを感じない

‥長期的な目線で見たときに、実はそんなに悪い年とは言えなそうだと私は思いました。

住宅購入のタイミングとしては、未来から振り返ってみるときっと良い年になるだろうと考えられるからです。

日銀発表のおさらい

日本銀行の金利コントロール幅変更が昨年末発表されました。

年の瀬に「住宅ローンの金利が上がるかもしれない」と突然言われてびっくりされた方も多いと思います。

今まで「±0.25%」にコントロールしていたものが「±0.5%」まで許容幅を広げる
その差0.25%が、事実上利上げになる。

「それでいったいどうなるの?」というと

・影響を受けるのはこれから住宅ローンを固定金利で検討している人。
・変動金利は(とりあえず)すぐには影響はない。

このニュースを受けて、2023年1月・2月の金利はどんな変化があったか見ていきましょう。

銀行の住宅ローン固定金利が上昇

大手銀行はさっそく1月から金利が上がっています。

例えば10年固定金利は三菱UFJ銀行0.18%、三井住友銀行は0.26%、みずほ銀行は0.3%前月比で引き上げとなりました。

大手銀行の固定金利では、「事実上の利上げ幅」分がそのまま上昇する形になってしまいました。

9年半ぶりの高水準です。

2月は、1月比で三菱UFJ +0.1%、三井住友 ±0、みずほ ±0。
利上げ幅の少なかった三菱UFJも、他2行と同水準となりました。

1月のフラット35は予想に反し微増にとどまる

全期間固定金利のフラット35は少し前から、営業戦略上金利をコントロールするというやり方をしています。

今回も額面上でいくと、金利が前月比で0.2%前後上昇してもおかしくないところでした。
しかし、フラット35の1月金利はわずか前月比+0.03%にとどまりました。

金利上昇を見えない力で抑え込んでいると取れます。
しかしこれも一時的なものだったようです。
2月は1月比 +0.20%と、1か月遅れで日銀サプライズ分上がりました。

フラット35はローン申し込み時ではなくて、住宅完成月の金利が適用になります。
そのため申し込みをしてから家を建つまでの数か月間がどうなるか。

金利は運次第という要素を持ちます。

この後は大きく上げないでもらいたいところですね。

当面は銀行間の住宅ローン競争

金利が大きく動くタイミングになると、超大手銀行のように即座に変化に対応する銀行もあります。

しかし地方銀行などでは、金利上昇のタイミングにはタイムラグがあることが多いです。

大手が上がって数か月経ってから、上げ始めるというのがこれまでの傾向です。
そのタイムラグが、ゆがみを生み出してきます。

今までは比較的横一線だった住宅ローンの金利。これも金融機関でしばらくは差が生まれる事になります。

つまり、意外な金融機関でお宝ローンが一時的に存在する!

という状況が考えられます。

特に今年は私自身が実際にいろいろと動くので、より一層よい情報をお伝えできると思います。

何かと負担が増えるこのご時世ですから、賢い選択ができるかどうかで家計が劇的に変わるのは間違いありません。

 

~新潟住まいのお金相談室ブログ「事実上の利上げで住宅ローン金利は実際どうなった?」より~

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